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2021年7月製造販売承認

■ロナプリーブ注射液セット 300/ロナプ…
■ ロナプリーブ注射液セット 300/ロナプリーブ注射液セット 1332
1. 承認概要
新有効成分 2021年7月 / 2021年7月 発売(薬価未収載)
2. 薬効分類名
抗SARS-CoV-2 モノクローナル抗体
3. 一般的名称
カシリビマブ(遺伝子組換え)注/イムデビマム(遺伝子組換え)注
4. 適応症
SARS-CoV-2による感染症およびその発症抑制
5. 類薬との比較

6. 特徴
【特徴】
本剤は、2種類の中和抗体を組み合わせて投与する抗体カクテル療法であり、SARS-CoV-2の宿主細胞への侵入を阻害し、ウイルスの増殖を抑制すると考えられています。2021年11月より、「感染治療」に加えて「予防的投与」が追加、さらに「点滴投与」に加えて「皮下投与」が追加されました。

【承認状況】
本剤は2021年7月に日本で世界で初めて承認されました。米国では、2020年11月に緊急使用許可が認められています。

【作用機序】
COVID-19の原因となるSARS-CoV-2は、その表面に存在するスパイクタンパク質(Sタンパク質)が宿主細胞表面の酵素に結合することで宿主細胞に侵入し、感染に至ります。本剤は、このSタンパク質と宿主細胞表面の酵素との結合を阻害し、宿主細胞への侵入を阻害することでウイルスの増殖を抑制します。

【皮下投与が可能に】
2021年11月より皮下投与が適応となり、名称が「点滴静注セット」から「注射液セット」に変更されました。皮下注射では、カシリビマブとイムデビマブを混合せず、それぞれ2本ずつ計4本を皮下投与で用います。皮下投与の対象となるのは、点滴投与における血管確保が困難などでやむを得ない場合に限られます。

【ワクチン以外で初のコロナ発症予防としての適応追加】
さらに、2021年11月に、治療だけでなく「発症抑制」として適応追加されました。
ただし、感染予防の基本はワクチンであり、これに置き換わるものでなく、次の3つの要件全てを満たす場合とされています。
(1)コロナによる感染症患者の同居家族又は共同生活者等の濃厚接触者、又は無症状のコロナ病原体保有者。
(2)原則として、コロナによる感染症の重症化リスク因子を有する者。
(3)コロナによる感染症に対するワクチン接種歴を有しない者、又はワクチン接種歴を有する場合でその効果が不十分と考えられる者。

【用法・用量】
通常、成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児には、カシリビマブ(遺伝子組換え)及びイムデビマブ(遺伝子組換え)としてそれぞれ600mgを併用により単回点滴静注又は単回皮下注射します。
SARS-CoV-2による感染症における臨床試験において、症状発現から8日目以降に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていないため、SARS-CoV-2による感染症の症状が発現してから速やかに投与する必要があります。
SARS-CoV-2による感染症の発症抑制において、投与後30日目以降の有効性を裏付けるデータは得られていません。

【副作用】
重大な副作用として、アナフィラキシーを含む重篤な過敏症(頻度不明)、infusion reaction(0.2%)が現れることがあります。
上記が認められた場合には、投与速度の減速、投与中断または投与中止し、アドレナリン、副腎皮質ステロイド薬、抗ヒスタミン薬を投与するなど適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察します。
7. 使用上の注意と服薬支援
【薬剤師への注意】
1.投与対象者の感染患者は「重症化リスク因子を有し、酸素投与を要しない患者(軽症~中等症I)」とされています。厚生労働省の事務連絡により、当初は投与対象者が入院治療を要する患者に限られましたが、2021年8月より、宿泊療養中の患者にも拡大されました。
2.臨床試験において、高流量酸素や人工呼吸器管理を要する患者では症状が悪化したという報告があり、重症患者は対象ではありません。
3.薬剤調製時は、希釈前に約20分間室温に放置します。11.1mLバイアルには、2回投与分(1回5mL)の溶液が含まれ、1回分の溶液を抜き取った後のバイアルは、25℃以下の室温で最大16時間、または2~8℃で最大48時間保存可能で、最大保存期間を超えた場合は廃棄することとされています。

【患者さんへの指導例】
1.本剤は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する治療薬です。1回の投与で2種類の中和抗体を投与し、ウイルスの増殖を抑えます。
2.過去に薬剤などで重篤なアレルギー症状を起こしたことのある方は必ず事前に申し出てください。
3.投与中または投与後に、発熱、悪寒、吐き気、不整脈、胸痛、脱力感、頭痛のほか、過敏症やアレルギーのような症状が現れた場合は、すぐに近くにいる医療者または医療機関に連絡してください。

【ここがポイント!】
わが国では、COVID-19治療薬として2021年6月までに、レムデシビル(商品名:ベクルリー)、デキサメタゾン(同:デカドロン)、バリシチニブ(同:オルミエント)の3剤が承認されました。2021年7月には本剤が承認され、さらに2021年9月には2剤目の中和抗体製剤としてソトロビマブ点滴静注液(同:ゼビュディ)も承認されました。本剤とソトロビマブ点滴静注液は、コロナ感染の軽症患者に投与可能な治療薬なので、感染患者の重症化を防ぐことができ、ひいては医療機関の負担が軽減されることが期待されます。
変異を繰り返すウイルスに対しては、抗体が1種類だけでは期待する効果が得られにくいことから、2種の抗体が組み合わされました(抗体カクテル療法)。本剤は、アルファ株(B.1.1.7系統)、ベータ株(B.1.351系統)、ガンマ株(P.1系統)、デルタ株(B.1.617.2系統)などのSタンパク質の主要変異にも中和活性を保持していることが示唆されています。
海外の第III相試験では、重症化リスク因子を有し、酸素飽和度93%(室内気)以上の患者が対象とされました。主要評価項目である入院または死亡に至った割合は、本剤群(736例)では1.0%、プラセボ群(748例)では3.2%であり、リスクが70.4%減少しました。症状消失までの期間短縮も示されています。
8. 製造販売元など
製造販売元:中外製薬株式会社
お問合せ先:中外製薬株式会社 メディカルインフォメーション部
               0120-189706
※主に添付文書、医薬品インタビューフォーム、審査報告書を参考に作成いたしました。
※薬の使用にあたっては、必ず処方する医師の指示にしたがってください。
(文責 下平秀夫) 2021年11月

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