ファーミック / 新薬情報
ファーミックグループ 地域住民の「くすりの図書館」を目指すファーミックグループ
採用情報サイトへ

ホーム ≫ What's New ≫ 薬局薬剤師のためのお薬情報新薬情報一覧
新薬情報index

2020年9月製造販売承認

■ゼジューラカプセル100mg
■ブコラム口腔用液2.5mg,5mg,7.…
■ツートラム錠50mg,100mg,150…
■エクロックゲル5%
■ ツートラム錠50mg,100mg,150mg
1. 承認概要
新剤型 2020年9月 / 2021年1月 発売
2. 薬効分類名
慢性疼痛治療剤
3. 一般的名称
トラマドール塩酸塩
4. 適応症
非オピオイド鎮痛剤で治療困難な下記における鎮痛
慢性疼痛
5. 類薬との比較

6. 特徴
【特徴】
本剤は、1日2回(12時間間隔)の投与に最適化された徐放性製剤であり、非オピオイド鎮痛薬で十分な効果が得られない患者の疼痛緩和やアドヒアランス向上が期待されています。

【作用機序】
トラマドールはマルチファンクショナル・オピオイドと呼ばれます。それは、選択的μオピオイド受容体作動作用だけでなく、モノアミン再取り込み阻害作用により鎮痛作用を示すからです。そのため、モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤、三環系抗うつ薬や、SSRIなどと併用するとセロトニン症候群を引き起こすリスクが高まります。ですからモノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤は併用禁忌となっています。

【用法・用量】
通常、成人にはトラマドール塩酸塩として1日100~300mgを2回(朝、夕が望ましい)に分けて経口投与します。症状に応じて1回200mg、1日400mgを超えない範囲で適宜増減できますが、1回50mg、1日100mgずつ行うことが推奨されています。
なお、初回投与は1回50mgから開始することが望ましく、ほかのトラマドール塩酸塩経口薬から切り替える場合は、切り替え前の薬剤の1日投与量、鎮痛効果および副作用を考慮して本剤の初回投与量を設定します。

【副作用】
国内で日本人を対象に実施された第II、III相試験(慢性疼痛6試験併合)において、本剤との因果関係を否定できない有害事象は749例中597例(79.7%)で報告されています。主なものは、悪心329例(43.9%)、便秘308例(41.1%)、傾眠160例(21.4%)、嘔吐113例(15.1%)、浮動性めまい81例(10.8%)、口渇58例(7.7%)、食欲減退43例(5.7%)でした。
なお、重大な副作用として、ショック、アナフィラキシー、呼吸抑制、痙攣、依存性、意識消失(いずれも頻度不明)が注意喚起されています。
7. 使用上の注意と服薬支援
【薬剤師への注意】
1.ほかのトラマドール製剤と同様に、12歳未満の小児、本剤に対する過敏症、アルコールや睡眠薬、鎮痛薬、オピオイド鎮痛薬または向精神薬による急性中毒、モノアミン酸化酵素(MAO)阻害薬を投与中または投与中止後14日以内、ナルメフェン塩酸塩水和物を投与中または投与中止後1週間以内、てんかん患者などには禁忌です。

【患者さんへの指導例】
1.この薬は、脳内への痛みの伝達を抑え、一般的な鎮痛薬では治療困難な痛みを和らげます。
2.眠気、めまい、意識消失が起こることがあるので、本剤を服用中は自動車の運転など危険を伴う機械の操作をしないでください。
3.この薬はゆっくり効く部分を持っていますので、割ったり、粉砕したり、かみ砕いたりせずに、そのまま服用してください。
4.悪心・嘔吐、便秘、めまい、口が乾く、食欲が低下するなどの症状が現れることがあります。症状が重く、持続する場合はすぐに受診してください。
5.有効成分が出た後の錠剤が糞便中に排泄されることがありますが心配ありません。
6.飲酒により薬の作用が強くなり、呼吸抑制が起こることがあります。服用中の飲酒は避けてください。

【ここがポイント!】
本剤は、速やかに有効成分が放出される速放部と、徐々に有効成分が放出される徐放部の2層錠にすることで、安定した血中濃度推移が得られるように設計された国内初の1日2回投与のトラマドール製剤です。厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で検討され、製造販売会社に開発が要請されました。
トラマドールを含有する既存の経口薬としては、1日4回服用の速放性製剤(商品名:トラマール)、1日1回服用の徐放性製剤(同:ワントラム)、アセトアミノフェン配合製剤(同:トラムセットなど)が販売されています。なお、トラマドールはWHO三段階除痛ラダーで「ステップ2」に位置付けられる弱オピオイド鎮痛薬ですが、わが国では麻薬の指定は受けていません。
適応症である「慢性疼痛」は、腰痛症、変形性膝関節症、関節リウマチ、脊柱管狭窄症、帯状疱疹後神経痛、有痛性糖尿病性神経障害、線維筋痛症、複合性局所疼痛症候群など幅広い原因によって引き起こされます。本剤は、慢性疼痛治療で汎用されているプレガバリンやセレコキシブなどと同じ1日2回投与ですので、併用薬や生活様式に合わせた薬剤を選択することでアドヒアランスが維持・向上できると期待されます。
なお、適応は慢性疼痛のみで、癌性疼痛には適応がないため、ワントラムやトラマールから切り替える際には注意が必要です。
副作用として、高頻度で悪心・嘔吐、便秘が報告されています。必要に応じて制吐薬や下剤の併用を提案するようにしましょう。
8. 製造販売元など
製造販売元:日本臓器製薬株式会社
お問合せ先:日本臓器製薬 くすりの相談窓口 06-6233-6085
※主に添付文書、医薬品インタビューフォーム、審査報告書を参考に作成いたしました。
※薬の使用にあたっては、必ず処方する医師の指示にしたがってください。
(文責 下平秀夫) 2021年2月

※本ページに掲載している記事および図表等に関する著作権は株式会社ファーミックにあります。
 製品写真については、「写真付/服薬指導CD-ROM」(八王子薬剤センター発行)より許諾を得て使用しています。
 本ページの内容の全部または一部について引用・転載等をおこなう場合は出所を明記してください。


ページ先頭に戻る

 Copyright(C) PHARMIC CO.,Ltd. All rights reserved.