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2020年9月製造販売承認

■ゼジューラカプセル100mg
■ブコラム口腔用液2.5mg,5mg,7.…
■ツートラム錠50mg,100mg,150…
■エクロックゲル5%
■ ブコラム口腔用液2.5mg,5mg,7.5mg,10mg
1. 承認概要
新投与経路 2020年9月 / 2020年12月 発売
2. 薬効分類名
抗けいれん剤
3. 一般的名称
ミダゾラム
4. 適応症
てんかん重積状態
5. 類薬との比較

(類薬との比較はありません)
6. 特徴
【特徴】
本剤は頬粘膜投与に使用することで、医療機関外であっても18歳未満のてんかん重積状態患者の発作を速やかに抑えることができます。

【承認状況】
海外では、欧州をはじめ世界30ヵ国以上で持続性急性けいれん発作を有する患者に対する治療薬として承認され、医療機関外で保護者等が小児に対して使用することも可能です。(2020年2月現在)

【作用機序】
本剤は、GABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、GABAA受容体とGABA の親和性を増加させ、GABAの抑制性神経伝達物質としての作用を亢進すると考えられています。

【用法・用量】
通常、ミダゾラムとして、修正在胎52週(在胎週数+出生後週数)以上1歳未満の患者には1回2.5mg、1歳以上5歳未満の患者には1回5mg、5歳以上10歳未満の患者には1回7.5mg、10歳以上18歳未満の患者には1回10mgを頬粘膜投与します。
シリンジ液剤の全量を片側の頬粘膜に緩徐に投与しますが、体格の小さい患者や用量が多い場合は、必要に応じて両側の頬粘膜に半量ずつ投与することができます。なお、18歳以上の患者に対する有効性および安全性は確立されていません。

【副作用】
国内で日本人を対象に実施された第II、III相試験(慢性疼痛6試験併合)において、本剤との因果関係を否定でき国内第III相試験(SHP615-301試験、SHP615-302試験)において、副作用は25例中5例(20.0%)で報告されており、主なものは、鎮静、傾眠、悪心、嘔吐、下痢各1例(いずれも4.0%)でした。
なお、重大な副作用として、呼吸抑制が1例(4.0%)で報告されており、無呼吸、呼吸困難、呼吸停止などが注意喚起されています。
7. 使用上の注意と服薬支援
【薬剤師への注意】
1.HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビルを含有する製剤、ネルフィナビルメシル酸塩、アタザナビル硫酸塩、ホスアンプレナビルカルシウム水和物、ダルナビルを含有する製剤)、エファビレンツ及びコビシスタットを含有する製剤を投与中の患者には、CYP3A4に対する阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇し、過度の鎮静や呼吸抑制を起こすおそれがあるため、禁忌です。
2.重症筋無力症の患者には、重症筋無力症の症状を悪化させるおそれがあるため、禁忌です。
3.急性閉塞隅角緑内障の患者には、抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがあるため、禁忌です。
4.適応があるのは18歳未満の患者で、年齢別に4種類の投与量のシリンジがあり、ラベルで色分けされています。

【患者さんへの指導例】
1.この薬は、歯ぐきと頬の間に投与することで、脳内の神経の過剰な興奮を鎮め、てんかん重積状態の発作を抑えます。
2.発作が開始してすぐに本剤を投与せず、自然に発作がおさまるかどうか観察し、投与判断の目安は医師の指示に従ってください。患者さんに嘔吐やよだれがある場合は、投与前に拭き取ってください。
3.投与する際は、片側の頬をつまみ広げ、シリンジの先端を下の歯ぐきと頬の間に入れ、ゆっくりと全量を注入します。体格が小さい場合や使用量が多い場合は、医師の指示によって両側の頬に半量ずつ注入することもできます。
4.この薬は頬粘膜から吸収されるため、可能な限り飲み込まないように注意してください。
5.投与後は、原則救急搬送の手配を行い、医療者がこの薬の使用状況を確認できるように使用済みのシリンジを提示してください。
6.保管時は、プラスチックチューブに封入された状態でふた側を上向きにして立てた状態にしてください。ふた側を下向きまたは水平にして保管すると、含量が低下する恐れがあります。

【ここがポイント!】
通常、てんかん発作の多くは1~2分でおさまりますが、30分以上持続すると脳への長期的な後遺障害に至る可能性が高くなります。そのため、発作が5分以上持続する場合はてんかん重積状態と判断して、治療を始めることが国内外のガイドラインで推奨されています。
2020年2月時点で、ミダゾラム口腔用液は欧州を中心に世界33ヵ国で承認されていますが、わが国で発売されているのは注射製剤(商品名:ミダフレッサ)のみで、ほかの小児を含む早期てんかん重積状態の第1選択薬として推奨されている薬剤もジアゼパムやロラゼパムの注射製剤でした。注射製剤は医療機関で投与されますが、救急搬送に時間を要して治療開始までに30分以上経過してしまう例が多く、患者団体や関連学会から非静脈経路で利便性および即効性の高い薬剤の開発が要望されていました。
本剤は、国内初のてんかん重積状態に対する頬粘膜投与用のプレフィルドシリンジ製剤で、医療機関外でも家族や介護者などによって投与することができます。第III相臨床試験では、5分以内に64%、10分以内に84%で持続性発作が消失するという速やかな効果が認められました。
主成分であるミダゾラムはCYP3A4の基質であり、本剤はCYP3A4を阻害あるいは誘導する薬剤との併用は禁忌です。副作用として呼吸抑制および徐脈などが現れる恐れがあるため、本剤の投与時は患者さんの呼吸や脈拍数に異常がないかなどを注意深く観察するとともに、救急車の手配も並行して行うなど冷静な対応が求められます。
近年、アナフィラキシーに対するアドレナリン注射液(同:エピペン)に加え、糖尿病の低血糖状態に対する点鼻グルカゴン製剤(同:バクスミー点鼻粉末剤)、そして本剤など、患者さんの緊急時に身近な人が対応できる製剤が増えてきました。薬局では、患者さんや家族・介護者がいざというときに正しく安全に使えるよう、使用方法について理解度の確認が重要です。
8. 製造販売元など
製造販売元:武田薬品工業株式会社
お問合せ先:武田薬品工業株式会社 くすり相談室 0120-566-587 
※主に添付文書、医薬品インタビューフォーム、審査報告書を参考に作成いたしました。
※薬の使用にあたっては、必ず処方する医師の指示にしたがってください。
(文責 下平秀夫) 2021年3月

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