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2020年6月製造販売承認

■リベルサス錠3mg,7mg,14mg
■バフセオ錠150mg,300mg
■エンレスト錠50mg,100mg,200…
■エナジア吸入用カプセル中用量,高用量
■オンジェンティス錠25mg
■ エナジア吸入用カプセル中用量,高用量
1. 承認概要
新有効成分・新医療用配合剤 2020年6月 / 2020年8月 発売
2. 薬効分類名
3成分配合喘息治療剤
3. 一般的名称
インダカテロール酢酸塩/グリコピロニウム臭化物/モメタゾンフランカルボン酸エステル
4. 適応症
気管支喘息(吸入ステロイド剤、長時間作用性吸入β2刺激剤及び長時間作用性吸入抗コリン剤の併用が必要な場合)
5. 類薬との比較

6. 特徴
【特徴】
本剤は喘息治療吸入薬として世界で初めてLABA/LAMA/ICSの3成分を配合した製剤であり、1日1回1吸入で良好な喘息コントロールが得られることが期待されています。
吸入デバイスは「ブリーズヘラー」で、カプセルに穴を開けてドライパウダーを吸入します。

【承認状況】
海外では承認されていません(2020年6月現在)。

【作用機序】
ICS(モメタゾンフランカルボン酸エステル)による抗炎症作用と、LAMA(グリコピロニウム臭化物)とLABA(インダカテロール酢酸塩水和物)による気管支拡張により、炎症によって狭窄した気管支を広げ、呼吸機能を緩和します。
<インダカテロール酢酸塩水和物>
長時間作用性β2刺激薬(LABA)であり、β1及びβ3受容体と比較してβ2受容体に対して高い親和性を示します。気管支平滑筋を弛緩させて気道収縮反応を抑制し気管支拡張作用を誘導します。 
<グリコピロニウム臭化物>
長時間作用性の抗コリン薬(ムスカリン受容体拮抗薬)であり、すべてのムスカリン受容体 M1~M5 受容体に対して高い親和性を示します。チオトロピウムと比較した場合、M2受容体に比べてM3受容体に対してやや高い選択性を有します。 
<モメタゾンフランカルボン酸エステル>
ヒトグルココルチコイド受容体に対して高親和性を示す合成ステロイドです。他の副腎皮質ステロイドと同様に、グルココルチコイド受容体に結合し喘息関連遺伝子の転写活性を調節することにより、抗炎症作用を発揮し、喘息において気道炎症を制御して呼吸機能並びに喘息症状を改善させると考えられています。

【用法・用量】
通常、成人にはエナジア吸入用カプセル中用量1回1カプセル(インダカテロールとして150μg、グリコピロニウムとして50μg及びモメタゾンフランカルボン酸エステルとして80μg)を1日1回本剤専用の吸入用器具を用いて吸入します。
なお、症状に応じてエナジア吸入用カプセル高用量1回1カプセル(インダカテロールとして150μg、グリコピロニウムとして50μg及びモメタゾンフランカルボン酸エステルとして160μg)を1日1回本剤専用の吸入用器具を用いて吸入します。

【副作用】
国際共同QVM149B2302試験および国内B1304試験で本剤が投与された日本人被験者において、主な副作用として発声障害(8.7%)が認められました(承認時)。
なお、重大な副作用として、アナフィラキシー、重篤な血清カリウム値の低下、心房細動(いずれも頻度不明)が報告されています。
7. 使用上の注意と服薬支援
【薬剤師への注意】
1.閉塞隅角緑内障の患者には、抗コリン作用により、眼圧が上昇し症状を悪化させるおそれがあるため、禁忌です。
2.前立腺肥大等による排尿障害がある患者には、抗コリン作用により、尿閉を誘発するおそれがあるため、禁忌です。
3.デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)を投与中の患者には、低ナトリウム血症が発現するおそれがあるため、禁忌です。

【患者さんへの指導例】
1.この薬は、長時間作用する気管支拡張薬を2種類と、気管支の炎症を抑えるステロイド薬を1種類含んだ吸入薬です。毎日同じ時間帯に規則正しく吸入することで、喘息の症状を改善します。
2.専用の吸入用器具にカプセルを1つセットし、両脇の緑色のボタンを押してカプセルに穴を開けてから吸入します。うまく吸入できていたら、カラカラというカプセルの回転音が鳴ります。
3.吸入が終わった後は、カプセルや粉末に触れないように気を付けて捨ててください。カプセル内に粉末が残っている場合は、再度吸入を行ってください。
4.声枯れや感染症を予防するため、吸入後は必ず上を向いてうがいをしてください。うがいが困難な場合は口腔内をすすいでください。その際、口に含んだ水を飲み込まないように気を付けてください。
5.吸入開始後に、動悸、手足の震え、尿が出にくいなどの症状が現れた場合は、すぐに受診してください。

【ここがポイント!】
本剤は、喘息治療吸入薬として世界で初めてのLABA/LAMA/ICS配合製剤です。『喘息予防・管理ガイドライン2018』において、治療ステップ3~4に該当する中用量または高用量ICS/LABAによる治療でも喘息コントロールが不十分な場合は、LAMAを追加することが治療選択肢の1つとして推奨されています。しかし、これまで喘息の適応を有するLABA/LAMA/ICS配合薬は販売されていませんでした。
LABA/ICS配合薬の多くが1日2回吸入ですが、本剤は1日1回でLABA/LAMA/ICSの3成分を一度に吸入できるため、服薬アドヒアランスの向上が期待できます。また、複数の製剤を組み合わせて使用するよりも1日薬価が下がり、経済的負担が軽減できるというメリットもあります。
専用の吸入器である「ブリーズヘラー」は、喘息治療薬として初めて適用されました。本吸入器は最大吸気流量が低下している患者でも比較的使用しやすいデバイスです。しかし、カプセルをセットする手間がかかり、カプセルの誤飲に注意する必要があります。主な副作用は発声障害なので、使用後のうがいを徹底することも大切です。
本剤は、同時に発売された喘息治療配合薬「インダカテロール酢酸塩/モメタゾンフランカルボン酸エステル(商品名:アテキュラ)」にLAMA(グリコピロニウム臭化物)を加えたものです。本剤とはモメタゾンの用量が不一致ですが、効果発現が期待できるモメタゾンの粒子量としては同程度です。
薬剤師にとっては多種多様の吸入薬のデバイス操作と指導法を覚えるのは大変なことですが、2020年度の調剤報酬改定で「吸入薬指導加算」が導入されたように、薬剤師の活躍が期待されている分野です。
治療方針の決定とデバイス選択は医師が行い、吸入指導は薬剤師が重要な担い手となるという密な病薬連携が吸入指導の成功の鍵になると考えられます。薬局では、処方医に指導・経過のフィードバックを細やかに行い、しっかりと情報共有することで、患者さんのよりよい治療継続を目指しましょう。
8. 製造販売元など
製造販売元:ノバルティス ファーマ株式会社
お問合せ先:ノバルティス ファーマ株式会社 ノバルティスダイレクト 0120-003-293
※主に添付文書、医薬品インタビューフォーム、審査報告書を参考に作成いたしました。
※薬の使用にあたっては、必ず処方する医師の指示にしたがってください。
(文責 下平秀夫) 2020年11月

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