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2020年5月製造販売承認

■ベクルリー点滴静注液100mg,ベクルリ…
■ ベクルリー点滴静注液100mg,ベクルリー点滴静注用100mg
1. 承認概要
新有効成分 2020年5月 /
2. 薬効分類名
抗ウイルス剤
3. 一般的名称
レムデシビル・水性注射液、注射用凍結乾燥製剤
4. 適応症
SARS-CoV-2による感染症
5. 類薬との比較

類薬はありません。
6. 特徴
【特徴】
本剤は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として、時限的かつ特例的に承認されました。

【効能・効果】
本剤は、SARS-CoV-2による感染症の適応で、2020年5月7日に特例承認されました。厚生労働省の通知により、適応患者の選定の際には以下の点を参考にすることが求められています。
《適格基準》
・PCR検査においてSARS-CoV-2陽性
・酸素飽和度が94%(室内気)以下、酸素吸入またはNEWS2スコア4以上
・入院中
《除外基準》
・多臓器不全の症状を呈する
・継続的に昇圧剤が必要
・ALTが基準値上限の5倍超
・クレアチニンクリアランス 30mL/min未満または透析患者
・妊婦

【作用機序】
本剤は、RNA依存性RNAポリメラーゼを選択的に阻害します。すなわち、代謝されてATPの類似体となり、SARS-CoV-2 RNA依存性RNAポリメラーゼによって新たに合成されるRNA鎖に誤って取り込まれることで、ウイルスの増殖を抑制します。これは新型インフルエンザ治療薬ファビピラビル(商品名:アビガン)と同様の機序となります。

【用法・用量】
本剤は、生理食塩液に添加し、30~120分かけて点滴静注します。通常、レムデシビルとして、成人および体重40kg以上の小児には投与初日に200mg、2日目以降は100mgを、体重3.5kg以上40kg未満の小児には投与初日に5mg/kg、投与2日目以降は2.5mg/kgを1日1回点滴静注します。
なお、総投与期間は10日までですが、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO)を必要としない患者は5日までで、症状の改善が認められない場合は10日目まで投与します。
7. 使用上の注意と服薬支援
【薬剤師への注意】
1.急性腎障害、肝機能障害が現れることがあるので、投与前および投与中は毎日腎機能検査、肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察する必要があります〔警告〕。
2.腎機能障害患者、肝機能障害患者、妊婦、小児などへの投与は治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合に限定され、重度の腎機能障害(成人や乳児、幼児、小児はeGFRが30mL/min/1.73m2未満、正期産新生児[7~28日]は血清クレアチニン1mg/dL以上)の患者への投与は推奨されず、ALT値が基準範囲上限の5倍以上の肝機能障害患者には投与しないことが望ましいです。
3.低血圧や嘔吐、発汗、振戦などのインフュージョン・リアクション(急性輸注反応)が現れることがあるので、異常が認められた場合はただちに投与を中止し、適切な処置が必要です。
4.本剤は、COVID-19に対する有効性を期待して特例承認された薬剤であり、臨床試験の成績がきわめて限定的です。承認条件として、可能な限り全症例を対象とした調査が課せられています。

【ここがポイント!】
今回、COVID-19に対する初めての治療薬が承認されました。SARS-CoV-2は「一本鎖プラス鎖RNAウイルス」で、同類としてはエンテロウイルス、C型肝炎ウイルス、ノロウイルスなどが知られています。本剤は、RNA依存性RNAポリメラーゼ選択的阻害薬で、新型インフルエンザ治療薬ファビピラビル(商品名:アビガン)と同様の作用機序となります。
本剤は、もともとエボラ出血熱などの新興感染症の治療薬として開発されていた抗ウイルス薬で、米国では5月1日から緊急的に重症患者への使用が認められました。これを受け、わが国でも特例承認制度が適用され、申請からわずか3日という異例の速さで承認されました。なお、承認薬となったのはわが国が世界初です。
本剤は、重症患者の症状改善や回復までの期間短縮が期待されています。米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が主導するプラセボ対照第III相試験(ACTT試験:COVID-19による中等度から重度の症状を呈する患者[きわめて重症の患者を含む]を対象としたレムデシビルのランダム化比較試験)において、レムデシビル群の回復までの日数中央値は11日で、プラセボ群の15日より4日短いことが示されました。一方で、死亡率については統計学的に有意な差は得られませんでしたが、改善傾向を示しました。(8.0% vs.11.6%、p=0.059)。
重大な副作用として、腎機能障害や肝機能障害、インフュージョン・リアクション、多臓器不全、敗血症性ショック、低血圧などが報告されています。現時点での安全性に関する情報は限られているため、これまでに報告されていない副作用が生じる可能性があります。本剤を投与する際は、適切なモニタリングを行いながら慎重に患者の臨床症状や状態を観察し、臨床検査値(白血球数、白血球分画、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板数、クレアチニン、グルコース、総ビリルビン、AST、ALT、ALP、プロトロンビン時間など)については毎日確認することが求められています。
なお、本剤は、当面の間はギリアド・サイエンシズより無償提供されますが、公的医療保険との併用も可能です。
8. 製造販売元など
製造販売元:ギリアド・サイエンシズ株式会社
お問合せ先:製造販売元:ギリアド・サイエンシズ株式会社 0120-506-295
※主に添付文書、医薬品インタビューフォーム、審査報告書を参考に作成いたしました。
※薬の使用にあたっては、必ず処方する医師の指示にしたがってください。
(文責 下平秀夫) 2020年6月

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