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2020年3月製造販売承認

■キャブピリン配合錠
■ソリクア配合注ソロスター
■ラツーダ錠20mg,40mg,60mg,…
■メラトベル顆粒小児用0.2%
■アイラミド配合懸濁性点眼液
■ロケルマ懸濁用散分包5g,10g
■ ラツーダ錠20mg,40mg,60mg,80mg
1. 承認概要
新有効成分 2020年3月 / 2020年6月 発売
2. 薬効分類名
抗精神病剤/双極性障害のうつ症状治療剤
3. 一般的名称
ルラシドン塩酸塩
4. 適応症
○統合失調症
○双極性障害におけるうつ症状の改善
5. 類薬との比較

6. 特徴
【特徴】
本剤は、SDA(セロトニン・ドパミン拮抗薬)としてはわが国で5番目の薬剤であり、統合失調症における陽性症状および陰性症状のほか、うつ症状の改善も期待できます。

【承認状況】
2020年5月現在、統合失調症治療薬として、欧米を含む47の国と地域で承認されており、また、双極I型障害のうつ症状治療薬としては米国を含む7つの国と地域で承認されています。海外の最新治療ガイドラインでは、体重増加、糖代謝異常などの代謝系副作用が少ないなどの観点から統合失調症に対して推奨され、双極性障害におけるうつ症状では第一選択薬の1つとして推奨されています。

【作用機序】
本剤はSDAに分類されます。統合失調症においては、中脳皮質系のセロトニン5-HT2A受容体の遮断作用によってドパミン放出を促進することで陰性症状を改善し、中脳辺縁系のドパミンD2受容体の遮断作用によってドパミン作用を抑制することで陽性症状を改善すると考えられています。またうつ症状においては、5-HT7受容体遮断作用と5-HT1A受容体部分作動(パーシャルアゴニスト)によってうつ症状を改善すると考えられています。

【用法・用量】
《統合失調症》
通常、成人にはルラシドン塩酸塩として40mgを1日1回、食後に経口投与します。なお、年齢、症状により適宜増減しますが、1日量は80mgを超えることはできません。
《双極性障害におけるうつ症状の改善》
通常、成人にはルラシドン塩酸塩として20mgから開始し、1日1回、食後に経口投与します。年齢、症状により適宜増減しますが、増量幅は20mgとして、1日量60mgを超えることはできません。

【副作用】
国内で実施された臨床試験において、安全性評価対象876例中338例(38.6%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められました。主な副作用は、アカシジア75例(8.6%)、悪心40例(4.6%)、統合失調症29例(3.3%)、傾眠28例(3.2%)、頭痛、不眠症各25例(2.9%)などでした(承認時)。
なお、重大な副作用として、遅発性ジスキネジア、高血糖、白血球減少(いずれも1%未満)、悪性症候群、痙攣、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、肺塞栓症、深部静脈血栓症、横紋筋融解症、無顆粒球症(いずれも頻度不明)が報告されています。
7. 使用上の注意と服薬支援
【薬剤師への注意】
1.CYP3A4を強く阻害する薬剤(アゾール系抗真菌剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、コビシスタットを含む製剤、クラリスロマイシン)は、本剤の代謝が阻害され血中濃度が上昇し、作用が増強されるおそれがあるため、併用禁忌です。
2.CYP3A4を強く誘導する薬剤(リファンピシン、フェニトイン)は、本剤の代謝が促進され血中濃度が低下し、作用が減弱されるおそれがあるため、併用禁忌です。
3.中等度以上の腎機能・肝機能障害のある患者では、投与量の制限があるため、投与量を適宜減量し、慎重に投与することとされています。
4.本剤の服用により、遅発性ジスキネジア、興奮、不安、注意力低下、高血糖等の症状があらわれる場合があるので注意が必要です。

【患者さんへの指導例】
1.この薬は、脳内のドパミン、セロトニンなどのバランスを整えることで、幻覚、幻聴、妄想、不安、緊張、意欲低下などの症状を和らげ、また、双極性障害におけるうつ症状を改善します。
2.薬の飲み始めや増量した時期に低血圧が起こることがあります。眠気が出たり、注意力・集中力・反射運動能力が低下したりすることもあるので、自動車の運転など危険を伴う機械の操作はしないでください。
3.薬を飲み始めてから、じっとしていられない、興奮が強くなる、ちょっとしたことで怒りっぽくなるなど、普段と異なる様子がみられた場合は、医師または薬剤師に相談してください。
4.血糖値が上がることがあるので、本剤を服用後に激しい喉の渇きを感じたり、尿の回数や量が増えたりしたら連絡してください。
5.動きが遅い、手足の震えやこわばり、呼吸回数の減少、低血圧などが現れたらご相談ください。
6.アルコールは薬の効果を強めることがあるので、本剤を服用中は飲酒を控えてください。また、グレープフルーツを含む飲食物によっても、薬の作用が強く現れることがあるので、本剤を服用中は摂取しないよう気を付けてください。

【ここがポイント!】
本剤は第2世代の抗精神病薬(非定型抗精神病薬)で、SDA(セロトニン・ドパミン拮抗薬)に分類されます。既存のSDA内服薬としては、リスペリドン(商品名:リスパダール)、ペロスピロン(同:ルーラン)、ブロナンセリン(同:ロナセン)、パリペリドン(同:インヴェガ)の4剤があり、本剤が5番目となります。
本剤は、ドパミンD2受容体、セロトニン5-HT2A受容体、および5-HT7受容体に対してはアンタゴニスト、5-HT1A受容体に対してはパーシャルアゴニストとして作用する一方で、抗ヒスタミン作用や抗コリン作用は少ないと考えられています。そのため、本剤は既存のSDAにはない、統合失調症における幻聴や妄想といった陽性症状、意欲減退や感情鈍麻といった陰性症状の改善のほか、不安や落ち込みといったうつ症状の改善も期待できます。
統合失調症患者もしくは双極I型障害うつ患者を対象とした国際共同第III相試験において、本剤の忍容性に関して大きな問題は認められませんでした。また、長期投与試験において、統合失調症患者の精神症状に対する効果および双極性障害患者のうつ症状に対する効果は、それぞれ52週にわたり維持されたことが確認されています。
処方時の注意点として、本剤は1日1回食後に服用することで最高血中濃度が引き上げられ、効果が継続するため、食後投与を厳守する必要があります。本剤と同様に「双極性障害におけるうつ症状」の適応を有するクエチアピンフマル酸塩徐放錠(商品名:ビプレッソ)は就寝前投与なので、服用時点を混同しないように注意しましょう。
8. 製造販売元など
製造販売元:大日本住友製薬株式会社
お問合せ先:大日本住友製薬株式会社 くすり情報センター 0120-034-389
※主に添付文書、医薬品インタビューフォーム、審査報告書を参考に作成いたしました。
※薬の使用にあたっては、必ず処方する医師の指示にしたがってください。
(文責 下平秀夫) 2020年9月

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