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2018年7月製造販売承認

■ダフクリア錠200mg
■スピラマイシン錠150万単位「サノフィ」
■ジェミーナ配合錠
■ スピラマイシン錠150万単位「サノフィ」
1. 承認概要
新有効成分 2018年7月 / 2018年9月 発売
2. 薬効分類名
抗トキソプラズマ原虫剤
3. 一般的名称
スピラマイシン製剤
4. 適応症
先天性トキソプラズマ症の発症抑制
5. 類薬との比較

類薬はありません
6. 特徴
【特徴】
本剤は抗菌活性に加え、抗トキソプラズマ活性も有する16員環のマクロライド系抗生物質であり、 日本初のトキソプラズマに適応を有する抗菌薬です。産科婦人科学会の要望により開発がすすめられ、今回の承認にいたりました。

【承認状況】
本剤はフランスで1955年に「細菌感染症」に対する効能又は効果で承認され、1983年に「妊婦のトキソプラズマ症」の効能又は効果が取得されて以降、2018年 5月現在、70ヵ国以上で承認されています。

【トキソプラズマ症】
トキソプラズマは人畜共通の寄生原虫であり、猫を終宿主としますが、豚、牛、鶏、羊、馬などのほか、食肉用の動物以外も含めて、ほぼすべての哺乳類や鳥類に感染します。ヒトへの主な感染経路としては、加熱不十分な食肉、猫の糞便や洗浄不十分な野菜などによって、トキソプラズマ原虫を経口的に摂取することが挙げられます。また、園芸などの土いじりや砂場遊びが原因になることも考えられます。通常、健康な成人がトキソプラズマに感染した場合、風邪様の症状が出現することもありますが、多くの場合は無症状のまま潜伏感染に移行します。しかし、妊婦がトキソプラズマに初感染すると、胎盤を介して胎児に感染し、先天性トキソプラズマ症を発症する可能性があります。先天性トキソプラズマ症は流産・死産の原因になったり、生まれた子供に水頭症、網脈絡膜炎による視力障害、脳内石灰化、精神・運動機能障害などといった重大な臨床症状が認められたりすることがあるため、胎児への感染を抑制する必要があります。

【作用機序】
トキソプラズマのタンパク合成を阻害することで、増殖抑制効果を示します。

【臨床効果】
本剤の抗原虫作用はトキソプラズマに対する増殖抑制であり、感染後早期に服用を開始することで、垂直感染が約60%低下するという報告があります。ただし、殺原虫効果はないため、胎児への感染が疑われる場合には、本剤の投与・継続の適否について慎重に検討する必要があります。

【用法・用量】
通常、妊婦には1回2錠(スピラマイシンとして300万国際単位)を1日3回経口投与します。抗体検査や問診などにより妊娠成立後のトキソプラズマ初感染が疑われる場合に使用します。

【副作用】
国内において副作用発現頻度が明確となる臨床試験は実施されていません。海外の臨床試験、市販後データ等で認められた副作用として、ショック、アナフィラキシー、偽膜性大腸炎、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症、QT延長、心室頻拍、心室細動、肝機能障害が報告されています。
7. 使用上の注意と服薬支援
【薬剤師への注意】
1.QT延長、心室頻拍(torsades de pointesを含む)、心室細動があらわれることがあるので、異常が認められた時は投与を中止します。

【患者さんへの指導例】
1.妊娠中に初めてトキソプラズマに感染した場合に、胎児が感染することで発症する恐れのある「先天性トキソプラズマ症」を防ぐための薬です。
2.胎児への感染が確認されないうちは、分娩まで続けて服用します。
3.薬によって腸内細菌のバランスが崩れると、便が緩くなったり、おなかが痛くなったりすることがあります。
4.高熱、激しい腹痛を伴う血便、めまい、動悸、胸痛などの症状がありましたら、服用をやめてすぐに受診してください。
5.母乳中に移行することが報告されているため、本剤を服用中の授乳は避けてください。

【ここがポイント!】
本剤は、抗菌活性に加え、抗トキソプラズマ活性を有する16員環のマクロライド系抗菌薬で、3 種の有機塩基(スピラマイシンⅠ、スピラマイシンⅡ及びスピラマイシンⅢ)の混合物です。海外の診療ガイドラインではトキソプラズマに初感染した妊婦に対し、本剤が標準的治療薬として推奨されています。しかし、わが国ではこれまでトキソプラズマを適応症として承認されている薬剤はなかったため、日本産科婦人科学会より開発の要望がなされていました。
実際には先天性トキソプラズマ症で生まれてくる児はわずかですが、加熱不十分な食肉を食べること、素手での飼い猫の糞便の処理や土いじりは、トキソプラズマ感染を引き起こすリスクがあることを薬剤師も再認識し、妊娠中または妊娠を予定している患者さんに対して調理方法や手袋の着用、十分な手洗いなどの注意喚起を行えるとよいでしょう。
8. 製造販売元など
製造販売元:サノフィ株式会社
お問合せ先:サノフィ株式会社 コールセンター くすり相談室 0120-109-905
※主に添付文書、医薬品インタビューフォーム、審査報告書を参考に作成いたしました。
※薬の使用にあたっては、必ず処方する医師の指示にしたがってください。
(文責 下平秀夫) 2018年12月

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