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2018年3月製造販売承認

■オルケディア錠1mg,2mg
■スージャヌ配合錠
■アジレクト錠1mg,0.5mg
■ アジレクト錠1mg,0.5mg
1. 承認概要
新有効成分 2018年3月 / 2018年6月 発売
2. 薬効分類名
パーキンソン病治療剤(選択的MAO-B阻害剤)
3. 一般的名称
ラサギリンメシル酸塩錠
4. 適応症
パーキンソン病
5. 類薬との比較

6. 特徴
【特徴】
本剤はセレギリン塩酸塩錠(エフピーOD錠等)に続く2剤目のMAO-B阻害剤で、セレギリンと同様にレボドパの併用の有無を問わず使用できます。しかし、セレギリンと異なりアンフェタミン骨格を有さないので覚せい剤原料の規制を受けません。
パーキンソン病の適応で、2018年3月23日に承認され、同年6月11日より販売されています。本剤は、モノアミン酸化酵素B(MAO-B)と非可逆的に結合することで、脳内のドパミンの分解を抑制し、シナプス間隙中のドパミン濃度を高めることにより、パーキンソン病の症状を緩和します。

【承認状況】
抗パーキンソン病薬として、2005年に欧州及びイスラエルで、2006年に米国で承認され、2018年3月時点では世界 50ヵ国以上で承認されています。

【用法・用量】
通常、成人にはラサギリンとして1mgを1日1回経口投与します。
1.中等度以上の肝機能障害(Child-Pugh分類BまたはC)のある患者では、本剤の血中濃度が上昇する可能性があるため禁忌であり、軽度の肝機能障害(Child-Pugh分類A)のある患者では、低用量での投与も考慮します。
2.低体重の患者では、本剤の血中濃度が上昇する可能性があり、副作用の発現が多く認められているため、患者の状態を観察し、低用量での投与も考慮します。
3.高齢者では、副作用の発現が多く認められているため、患者の状態を観察し、低用量での投与も考慮します。

【臨床効果】
1. レボドパ含有製剤非併用のパーキンソン病患者を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、治療期 26週における[日常生活で経験する運動症状の側面]と[運動症状の調査]の合計スコアについて、プラセボ群と比較して本剤 1mg群で統計学的に有意な改善がみられました。また、本試験完了後の継続長期投与試験において、本剤 1mg群の同スコア長期投与時(52週)でも効果が持続しました。
2.Wearing off現象を伴うレボドパ含有製剤併用のパーキンソン病患者を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、治療期における 1日あたりの平均オフ時間変化量について、プラセボ群と比較して本剤 1mg群及び 0.5mg群でそれぞれ統計学的に有意な短縮がみられました。

【副作用】
国内臨床試験において、696例中346例(49.7%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められ、主な副作用はジスキネジア(8.0%)、転倒(3.7%)及び鼻咽頭炎(3.2%)でした(承認時)。
また、レボドパ含有製剤併用の海外臨床試験において、544例中299例(55.0%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められており、主な副作用はジスキネジア(12.3%)、悪心(6.6%)、浮動性めまい(5.1%)、頭痛(4.6%)、不眠症、起立性低血圧(各3.7%)及び転倒(3.5%)でした(承認時)。
7. 使用上の注意と服薬支援
【薬剤師への注意】
(1) セレギリン塩酸塩、トラマドール塩酸塩、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、SSRI、SNRI等と併用すると、相加・相乗作用によって、高血圧、失神、不全収縮、発汗、てんかん、動作・精神障害の変化及び筋強剛等の副作用があらわれることがあるので併用できません(禁忌)。
(2)起立性低血圧又は低血圧があらわれることがあるため、めまい、立ちくらみ、ふらつき等の起立性低血圧の徴候又は症状に注意が必要です。
(3)日中の傾眠、前兆のない突発的睡眠又は睡眠発作があらわれることがあるため、本剤投与中の患者には自動車の運転、機械の操作、高所での作業等、危険を伴う作業には従事させないように注意します。
(4)病的賭博、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が認められた場合には適切な処置を行い、患者及び家族等にこのような衝動制御障害の症状について説明します。
(5)レボドパ含有製剤との併用によりジスキネジア等のレボドパ由来の副作用が増強されることがあるため注意が必要です。

​【患者さんへの指導例】
(1)この薬は、脳内でドパミンの分解をおさえることで脳内のドパミン濃度を増加させ、パーキンソン病症状を改善します。
(2)めまい、立ちくらみ、ふらつきなどの症状があらわれたらお知らせください。
(3)眠くなったり、前兆のない急な眠り込みがあらわれることがありますので、この薬を使用中は自動車の運転や機械の操作、高いところでの作業など、危険を伴う作業はしないでください。
(4)ギャンブルや無計画な買い物を繰り返したり、食欲が病的に亢進するなど、衝動が抑えられない症状があらわれた場合にはお知らせください。
(5)レボドパ含有製剤との併用で、意志に反して舌を動かしたり、噛むような口の動き、意志に反して体が動くなどの症状があらわれた場合にはお知らせください。
(6)セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)を含有する食品は、脳内セロトニン濃度が上昇することがあるので、控えてください。
(7) チーズ、ビール、赤ワイン等、チラミンを多く含む飲食物を飲んだり食べたりすることで血圧上昇等の副作用が出やすくなるのでご注意ください。
(8)飲み合わせに注意すべき薬が多いので、この薬を飲んでいることを医師または薬剤師に伝えてください。

【ここがポイント!】
「パーキンソン病治療ガイドライン2018(日本神経学会)」において、「ラサギリンは早期の症状改善から、進行期のwearing off 改善まで有効と考えられる。」「セレギリンとの比較ではoff時間の短縮効果についてはラサギリンのほうに高いエビデンスがある。」と記載されています。また、海外においても幅広く使用されていることなどから、日本神経学会より医療上の必要性が高い薬剤として「未承認薬・適応外薬の要望」が出されていました。
覚せい剤原料の規制を受ける既存類薬のセレギリンは、厳重な保管管理のほか保健所職員(覚せい剤監視員)の立ち会いのもとでの廃棄や、1錠でも紛失した際は「覚せい剤原料事故届」の提出など管理が大変です。その点、本剤は劇薬・処方箋医薬品であるだけなので、取り扱いが大変簡便となっています。
薬力学的相互作用については、セレギリンと同様に相加・相乗作用によるセロトニン症候群等への注意が必要です。一方、薬物動態学的相互作用については、セレギリンは主にCYP3A4と2D6による代謝なのに対し、本剤は主にCYP1A2で代謝されるという違いがあります。本剤の場合には、喫煙によるCYP1A2の誘導等に注意が必要です。
セレギリンは1日5mg以上で1日2回の服用となりますが、本剤は1日1回の服用ですむのでアドヒアランスの向上が期待できます。
8. 製造販売元など
製造販売元:武田薬品工業株式会社
お問合せ先:武田薬品工業株式会社 くすり相談室 0120-566-587
※主に添付文書、医薬品インタビューフォーム、審査報告書を参考に作成いたしました。
※薬の使用にあたっては、必ず処方する医師の指示にしたがってください。
(文責 下平秀夫) 2018年6月/2018年7月更新

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