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2018年1月製造販売承認

■レキサルティ錠1mg,2mg
■アレサガテープ4mg,8mg
■ネイリンカプセル100mg
■グーフィス錠5mg
■ グーフィス錠5mg
1. 承認概要
新有効成分 2018年1月 / 2018年4月 発売
2. 薬効分類名
胆汁酸トランスポーター阻害剤
3. 一般的名称
エロビキシバット水和物
4. 適応症
慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
5. 類薬との比較

6. 特徴
【特徴】
本剤は世界初の胆汁酸トランスポーター阻害剤で、大腸に流入した胆汁酸により水分分泌と大腸運動促進の2つの作用排便を促します。既存薬にない作用機序を持つことから、便秘治療の新たな選択肢となると考えられます。効果発現が比較的速く、朝食前に服用するとお昼頃の排便が期待できます。また、投与量を適宜増減できるという利点があります。

【背景】
便秘に対する薬物治療として、大腸刺激性(センノシド、ピコスルファートナトリウム等)、塩類下剤(酸化マグネシウム等)が使用されていますが、長期連用による耐性や、高マグネシウム血症を含む電解質異常などが問題となっています。
一方、2017年10月に国内初の慢性便秘症のガイドライン「慢性便秘症診療ガイドライン2017」が発表されました。本ガイドラインでは、推奨度1として浸透圧性下剤や上皮機能変容薬を挙げています。

【胆汁酸とは】
胆汁酸は食物脂肪の吸収に必要な物質であり、肝臓でコレステロールから合成され、胆汁の主成分として胆嚢・胆管を経て十二指腸に分泌されます。分泌された胆汁酸の約95%は小腸で再吸収され、門脈を経由して肝臓に戻り再び胆汁中に分泌されるという、いわゆる腸肝循環が行われています。再吸収されなかった胆汁酸は大腸内において水分を分泌させ、消化管運動を促進させます。そのため胆汁酸製剤の投与により軟便や下痢の副作用を生じることや回腸の疾病では大量の胆汁が大腸に到達して下痢を引き起こすことが知られています。

【承認状況】
2017年9月現在、海外での承認はありません。

【作用機序】
本薬は、胆汁酸の再吸収に係わるトランスポーターであるIBAT(ileal bile acid transporter)を阻害する作用を持つ低分子化合物です。本剤は回腸末端部においてIBATを阻害し、胆汁酸の再吸収を抑制することで、大腸内に流入する胆汁酸の量を増加させ、排便を促すと考えられています。回腸末端の胆汁酸トランスポーターへ直接作用し、体内への吸収はわずかです。

【臨床効果】
国内第Ⅲ相臨床試験において早期から改善効果を示しました。自発排便(下剤/浣腸あるいは摘便なしに発現する排便)回数及び完全自発排便(残便感がなく、下剤/浣腸あるいは摘便なしに発現する排便)回数の投与期間第1・2週の変化量において、本剤10mg群はプラセボ群に対して有意に大きな値を示しました。初回投与後24時間以内の自発排便発現患者の割合において、本剤10mg群は85.5%であり、プラセボ群に対し有意に高い割合を示しました。24時間以内に85.5%の患者に排泄が得られたのは大変高い数値といえます。また、初回自発排便発現までの時間(FAS)の中央値は、プラセボ25.5hrに対し本剤は5.2hrであり、速い効果発現が期待できます(アミティーザは13hr)。
Bristol便形状スケールに基づいた便硬度において、投与期間第1週及び第2週とも本剤10mg群はプラセボ群に対して有意な増加を示しました。 また、長期投与試験において(52週間)、良好な排便状況が維持されました。

【用法・用量】
通常、成人にはエロビキシバットとして10mgを1日1回食前に経口投与します。なお、症状により適宜増減しますが、最高用量は1日15mgとします。「食前」投与の理由として、本剤の作用機序は回腸末端部における胆汁酸の再吸収抑制であり、胆汁酸は食事の刺激により放出されることから、効率のよい効果発現のために食事の前に服用することが効果的だからです。

【相互作用】
本剤は、P-糖蛋白質の阻害作用を有します。例えばダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩等の薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがあります。(併用注意)

【副作用】
承認時までの国内の臨床試験では631例中292例(46.3%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められました。主な副作用は腹痛120例(19.0%)、下痢99例(15.7%)です。
7. 使用上の注意と服薬支援
【薬剤師への注意】
1.本剤は胆汁酸の再吸収を抑制するので、重篤な肝障害(胆道閉鎖や胆汁酸分泌低下)を有する患者さんでは効果が期待できないことが想定されます。
2.本剤投与中に「腹痛」及び「下痢」が発現した場合には症状に応じて減量又は休薬等の適切な処置を行うとともに、不必要に薬剤が曝露されないように漫然と継続投与しないよう注意喚起されています。

【患者さんへの指導例】
1.胆汁の主成分である胆汁酸を大腸に流入させることで、水分を分泌させ、かつ大腸運動を促進して排便を促します。
2.効果があらわれるのが比較的速く、8時間以内におよそ7割の方に排便が期待できます。
3.アルミニウムを含有する制酸剤等と同時に服用すると本剤の効果が減じることがあります。
4.本剤の服用によって腸が活発に動き始め、その際に軽度の痛みを感じることがあります。これは「排便のお知らせ」と考えられ、大半は気にならなくなります。しかし、つらい腹痛が続く場合には相談して下さい。

【ココがポイント!】
本剤の初回自発排便までの中央値は5.2時間(8時間以内におよそ7割)と短く、患者さんが効果を実感しやすいというメリットがあります。副作用は類薬に比べて腹痛の頻度が高いため、次回の患者さんへの聞き取りが必要です。
本剤の投与量は適宜増減が認められていますので、腹痛がつらい場合には医師に減量の提案をしましょう。一方、この腹痛は「排便のお知らせ」であることが多いので、患者さんへの説明が大切です。
他の下剤は通常寝る前で処方されますが、本剤が寝る前に処方された場合は効果が期待できないので、疑義照会が必要です。
8. 製造販売元など
製造販売元:EAファーマ株式会社(プロモーション提携:エーザイ株式会社)
お問合せ先:①EAファーマ株式会社 くすり相談 0120-917-719
      ②持田製薬株式会社 くすり相談窓口 0120-189-522
※主に添付文書、医薬品インタビューフォーム、審査報告書を参考に作成いたしました。
※薬の使用にあたっては、必ず処方する医師の指示にしたがってください。
(文責 下平秀夫) 2018年2月/2018年5月更新

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