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2017年9月製造販売承認

■ルパフィン錠10mg
■レクタブル2mg注腸フォーム14回
■シダキュアスギ花粉舌下錠2000JAU,…
■アトーゼット配合錠LD,HD
■ シダキュアスギ花粉舌下錠2000JAU,5000JAU
1. 承認概要
新有効成分 2017年9月 /
2. 薬効分類名
スギ花粉症の減感作療法(アレルゲン免疫療法)薬
3. 一般的名称
スギ花粉エキス原末
4. 適応症
スギ花粉症(減感作療法)
5. 類薬との比較

我が国においては2014 年1月にシダトレンスギ花粉舌下液が承認され、同年10月に発売されました。しかし、シダトレンには12歳未満の小児に使用できないこと、冷所保存が必要という問題点があります。また、シダトレンは2分間舌の下に保持した後で飲み込みますが、本剤は1分間に短縮されています。さらに、シダトレンは低濃度ボトルを用いて1-2日目 0.2mL、3-4日目 0.4mL、5日目 0.6mL、6日目0.8mL、7日目 1mLと増量した後で高濃度ボトルをさらに5段階増量するというように増量が煩雑ですが、本剤は1週間後に1回増量するだけと簡単な用法となっています。
6. 特徴
【特徴】
シダトレンに続く、我が国で2剤目のスギ花粉症に対するアレルゲン免疫療法剤です。シダトレンはスギ花粉抽出物を含有する舌下液ですが、本剤は同液の速溶性の舌下錠で、室温保存であり、5歳の小児から使用できます。また、皮下注射による方法に比べて注射による疼痛、長期間に渡る定期的な通院などの患者負担が必要なく、アナフィラキシーショックなどの重篤な副作用のリスクも軽減されています。

【スギ花粉症とは】
スギ花粉症はスギ花粉によって生じるアレルギー疾患で、主にアレルギー性鼻炎とアレルギー性結膜炎を生じます。スギ花粉が患者の鼻に入ると、直後にくしゃみ、鼻汁が生じ、少し遅れてから鼻づまりが生じます。また患者の目にスギ花粉が入ると、早くから目がかゆくなり、涙が流れ、目が充血してきます。 ある調査によると、国民のおよそ20%が花粉症に罹患していると考えられており、そのうち約70%はスギ花粉症であると推察されています。(参考:「的確な花粉症の治療のために」平成22年度厚生労働科学研究補助金 免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業より)

【背景・減感作療法とは】
スギ花粉症の治療としては、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、ステロイドなどが対症療法として広く臨床で使用されており、長期寛解を目的とした減感作療法も行われています。減感作療法(アレルゲン免疫療法)とは、アレルギー疾患の原因となるアレルゲンを低濃度、少量から投与し、 徐々に増量、高濃度へ移行させ、アレルゲンに対する過敏性を減少させる治療法です。対症療法とは異なり、治癒あるいは長期寛解が期待されます。

【皮下注射減感作療法との違い】
従来から施行されてきた皮下注射による減感作療法と比べ、2日目からは自宅での服薬が可能で、長期間に渡る定期的な通院が不要となること、注射による痛みもなく治療ができることなどから患者さんの服薬負担が軽減できます。また、アナフィラキシーショックなどの重篤な副作用も軽減されています。

【処方に関する制限】
処方する医師は、関連学会主催の講習会又はeラーニング・eテストを受講し、その後、鳥居薬品が実施するeラーニング・eテストを経て、処方医療機関及び緊急搬送先医療機関の登録を行い、「受講修了医師」として登録する必要があります。

【薬剤師による確認】
調剤する薬剤師は、処方医師が「受講修了医師」であることの確認を「鳥居薬品舌下免疫療法薬 登録医師確認窓口」にて行います。また、患者が処方医師より交付される「患者携帯カード」を携帯していること、及びカードへの記載内容の確認を行う必要があります。

【承認状況】
我が国では、スギ花粉症の減感作療法に用いる製剤としてスギ花粉エキスを含有する皮下注用製剤、及び舌下液剤(シダトレン)が既に承認されています。海外において本剤の開発は行われていません。

【作用機序】
減感作療法の効果発現メカニズムは十分に解明されていませんが、舌下投与による減感作療法では口腔粘膜下の樹状細胞によるアレルゲンの捕捉が起こり、免疫反応が引き起こされると考えられています。免疫反応としては、Th2細胞増加の抑制及びTh1細胞の増加、制御性T細胞の誘導、抗原特異的IgG及びIgAの増加が報告されており、その結果としてアレルギー症状の発現を抑制すると推測されています。

【臨床効果】
スギ花粉症患者(5~64歳)を対象とした国内第2/3相臨床試験では、プラセボ群に比べて主要評価項目の「総合鼻症状薬物スコア」で有意差が認められ、有効性と安全性が確認されました。本剤2,000JAUはシダトレン2,000JAUと同程度のアレルギー症状の軽減効果が期待できると審査報告書に記載されています。

【用法・用量】
投与開始1週間は1日1回2,000JAUを舌下に投与し、2週目以降は1日1回5,000JAUに切り替えます。いずれの場合も舌下で1分間保持した後に飲み込み、その後5分間はうがいや飲食を控えます。初回投与時は医師の監督のもと、投与後少なくとも30分間は安静な状態に保ってもらい、十分な観察を行います(一般にI型のアレルギー反応は30分以内で発現するため)。

【副作用】
国内臨床試験ではプラセボ群(20.1%)に対し、本剤投与群50.3%に副作用が認められました。本剤投与群で発現率が高かった副作用は口腔浮腫(14.4%)、咽頭刺激感(14.3%)、耳そう痒症(12.5%)、口腔そう痒症(8.6%)、口腔内不快感(6.0%)でした。また、死亡例はなく、アレルゲン免疫療法で懸念されるアナフィラキシー及びアナフィラキシーショックは認められませんでした。また、既承認のシダトレンと比較して、本剤の安全性に特段の問題は認められていないと審査報告書に記載されています。 
7. 使用上の注意と服薬支援
【薬剤師への注意】
(1)本剤は通常の対症療法薬とは異なり、原因アレルゲンを含有するスギ花粉エキスを投与する治療法であるため、本剤投与の際の特にショック、アナフィラキシーの発現に注意が必要です。
(2)スギ花粉飛散時期はスギ花粉アレルゲンに対する患者の過敏性が高まっている場合が多いことから、治療はスギ花粉飛散時期を避けて行います。
(3)自宅での治療が中心となるため、服薬管理が重要となります。
(4)通常の錠剤に比べて柔らかいので、自動分包機には適しません。

【患者さんへの説明例】
(1)アレルギー疾患の原因であるアレルゲンを少量から投与し、徐々に増量することで、アレルゲンに対する反応を減らします。
(2)ブリスターシートから取り出す際は、裏のシートを剥がした後、爪を立てずに指の腹で押し出してください。欠けや割れが生じた場合は全量服用してください。
(3)1日1回舌の下に置いてください。1分間舌の下に保持した後で飲み込み、その後5分間は、うがいや飲食を控えるようにしてください。
8. 製造販売元など
製造販売元:鳥居薬品株式会社 
お問合せ先:鳥居薬品株式会社 お客様相談室 0120-316-834
※主に添付文書、医薬品インタビューフォーム、審査報告書を参考に作成いたしました。
※薬の使用にあたっては、必ず処方する医師の指示にしたがってください。
(文責 下平秀夫) 2017年12月

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