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2017年7月製造販売承認

■ビプレッソ徐放錠50mg,150mg
■アメナリーフ錠200mg
■パルモディア錠0.1mg
■オルミエント錠2mg,4mg
■ ビプレッソ徐放錠50mg,150mg
1. 承認概要
新効能・新剤型 2017年7月 / 2017年10月 発売
2. 薬効分類名
双極性障害のうつ症状治療薬
3. 一般的名称
クエチアピンフマル酸塩徐放錠
4. 適応症
双極性障害におけるうつ症状の改善
5. 類薬との比較

6. 特徴
【特徴】
本剤は我が国において2001年2月より即放製剤(セロクエル他)が統合失調症に用いられています。海外の治療ガイドラインでは本薬は双極性障害に使用されており、我が国でも早期開発の要望が提出され、1日1回の徐放製剤が双極性障害の治療薬として承認されました。

【背景・類薬】
国内の双極性障害に関する治療ガイドラインにおいて、本剤は同じく多元受容体作用抗精神薬(MARTA)に分類されるオランザピン(2012年2月双極性障害の適応承認済)や炭酸リチウムとともに双極性障害のうつ症状の治療薬として推奨されていますが、適応を有していませんでした。海外の治療ガイドラインにおいても双極性障害のうつ症状に対する第一選択薬として本薬が位置付けられていることから、日本うつ病学会からクエチアピンの早期開発・承認の要望が提出されていました。

【双極性障害とは】
双極性障害は、うつ状態、そう状態の再発を繰り返し、慢性に経過する気分障害であり、典型的躁病相を呈する双極性Ⅰ型障害(BD-Ⅰ)と、軽躁病相に加えて再発するうつ病相が生じる双極性Ⅱ型障害(BD-Ⅱ)が含まれます。高い自殺率、アルコール依存症など、併存する精神疾患が多いこと、うつとそう状態の反復による社会生活への障害、さらに再発率が90%以上と高いことなどが問題となり、再発予防を含めて経過を重視した治療が重要となります。

【承認状況】
クエチアピン徐放製剤は、2007年5月米国で承認されて以来2016年1月まで、主に統合失調症、双極性障害、大うつ病性障害、および全般性不安障害に関連する効能・効果で、米国、欧州等94の国または地域で承認されています。そのうち双極性障害に対して、2016年11月現在75の国または地域で承認されています。

【作用機序】
本剤はオランザピンと同様のMARTAに分類され、セロトニン-ドパミン受容体親和性比が高いだけでなく、他の複数の受容体(コリン、ヒスタミン、アドレナリンなど)に対しても比較的高い親和性を有しています。

【臨床効果】
双極性障害の大うつ病エピソードを有する患者を対象とした国内二重盲検比較試験、およびその後の52週にわたる非盲検継続投与試験において、有用性と安全性が確認されました。統合失調症の陽性症状(幻覚、妄想など)や陰性症状(感情的引きこもり、情動鈍麻など)だけでなく、認知症状、不安症状、うつ症状などにも効果が期待されています。

【用法・用量】
通常、成人にはクエチアピンとして1回50mgより投与を開始し、2日以上の間隔をあけて1回150mgへ増量します。その後、さらに2日以上の間隔をあけて、推奨用量である1回300mgに増量します。なお、いずれも1日1回就寝前とし、食後2時間以上あけて経口投与します。

【食事の影響】
日本人健康成人を対象とした食事の影響に関する試験で、食後に本剤50mg 錠を投与した場合に空腹時投与時と比較して血漿中本薬未変化体のCmaxが約2倍に上昇したこと等から、1日1回就寝前とし、食後2時間以上あけて服用することになりました。 

【肝機能】
肝機能障害のある患者および高齢者では、クリアランスが減少し血漿中濃度が上昇することがあるため、2日以上の間隔をあけて患者の状態を観察しながら1日50mgずつ慎重に増量します。

【副作用】
国内の臨床で副作用が84.2%に認められています。主な副作用には傾眠(50.7%)、口渇(23.5%)、倦怠感、体重増加(各10.9%)、アカシジア(9.1%)、便秘(8.8%)、血中プロラクチン増加(8.2%)があり、重大な副作用としては高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、低血糖、悪性症候群、横紋筋融解症、痙攣等が報告されています。また、承認に際して厚生労働省から、既存の即放製剤と同様に高血糖などの発現リスクがあること、うつ病患者では自殺企図のリスクがあることに対する注意喚起が行われています。

【相互作用】
アドレナリンの作用を逆転させ、重篤な血圧降下を起こすことがあるので、アドレナリン注(ボスミン)は併用しません(併用禁忌)。また、主要代謝酵素であるCYP3A4の誘導剤であるフェニトインを併用投与したとき、クエチアピンの経口クリアランスが約5倍に増加し、CmaxおよびAUCはそれぞれ66%および80%低下しました(併用注意)。
7. 使用上の注意と服薬支援
【薬剤師への注意】
(1)著しい血糖値の上昇から、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の重大な副作用が発現し、死亡に至る場合があるので、本剤投与中は血糖値の測定等の観察を十分に行います(平成14年11月7日発出イエローレター「フマル酸クエチアピン投与中の血糖値上昇による糖尿病性ケトアシドーシス及び糖尿病性昏睡について」参照)。
(2)自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめます。

【患者さんへの指導例】
(1)妙にはしゃいだり怒りっぽくなったりする躁の気分と、気分が落ち込み悲観的になるうつの気分を繰り返す状態を改善するお薬です。
(2)徐放性製剤であるため、割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用してください。
(3)眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中は自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事しないでください。
8. 製造販売元など
製造販売元:アステラス製薬株式会社
販売:共和薬品工業株式会社
お問合せ先:共和薬品工業株式会社 営業本部 営業推進部 学術情報課 0120-041-189
※主に添付文書、医薬品インタビューフォーム、審査報告書を参考に作成いたしました。
※薬の使用にあたっては、必ず処方する医師の指示にしたがってください。
(文責 下平秀夫) 2017年12月

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