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2017年3月製造販売承認

■インチュニブ錠1mg,3mg
■コムクロシャンプー0.05%
■ナルラピド錠1mg,2mg,4mg
■ナルサス錠2mg,6mg,12mg,24…
■スインプロイク錠0.2mg
■ スインプロイク錠0.2mg
1. 承認概要
新有効成分 2017年3月 / 2017年6月 発売
2. 薬効分類名
経口末梢性μオピオイド受容体拮抗薬
3. 一般的名称
ナルデメジントシル酸塩
4. 適応症
オピオイド誘発性便秘症
5. 類薬との比較

【既存の類薬との比較】
オピオイド誘発性便秘(OIC) を有するがん患者さんに対する治療としては、浸透圧性下剤(酸化マグネシウム、ラクツロース)や大腸刺激性下剤(ピコスルファートナトリウム、センノシド)等が使用されています(がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン 2014 年版、医療用麻薬適正使用ガイダンス)。しかし、浸透圧性下剤は電解質異常や腹部膨満感等の副作用があり、酸化マグネシウム製剤は高齢者において高マグネシウム血症のリスクが報告されています。また、大腸刺激性下剤は耐性や習慣性があり、痙攣性の便秘や腹痛を伴う場合は使用してはならないとされています(審査報告書より)。
6. 特徴
【特徴】
本剤は、消化管の末梢μオピオイド受容体に結合してオピオイド鎮痛薬と拮抗することにより、オピオイド鎮痛薬の主要な副作用である誘発性便秘症(OIC)を治療するという、我が国初の作用機序を有する医薬品です。
オピオイドによって痛みが収まっても、便秘に悩まされては新たな苦しみが生じてしまいますし、重症の便秘はオピオイド鎮痛薬治療の中断にもつながります。このようなことから医療ニーズの高い医薬品といえます。本剤は、フィルムコーティング錠です。 

【作用機序】
オピオイドは中枢のμオピオイド受容体に作用して鎮痛作用を発揮する一方、消化管に存在する末梢のμオピオイド受容体にも作用し、消化管運動などを抑制することにより便秘を引き起こします(OIC)。
これに対し、本剤は消化管のμオピオイド受容体に作用するのみで、血液脳関門の透過性は低下するように設計されているため、中枢μオピオイド受容体には作用せず、オピオイド鎮痛薬の鎮痛作用を減弱させることなく、便秘の副作用を軽減するという作用機序です。

【適応】
オピオイド誘発性便秘症(OIC)。
がん患者でも、非がん患者でも使用できます。ただし、オピオイドを使用していない便秘に本剤を用いる事はできません。

【非がん性慢性疼痛患者に対する本剤の投与】
治療方針はがん患者と同様ですが、米国ではルビプロストン(商品名:アミティーザカプセル)が非がん性慢性疼痛患者における OIC の適応に対して承認されています。我が国では浸透圧性下剤が習慣性が少ないため、高齢者を含め第一に選択される頻度が高くなっています。

【既存の類薬との併用】
他の緩下剤併用時の有効性及び安全性については現時点において特段問題ないと考えられるが、市販後調査等で引き続き情報収集する必要があるとされています。
その理由は以下の通りです。
「OIC を有するがん患者及び非がん性慢性疼痛患者では、国内第 II 相及び第 III 相試験において本薬 0.2 mg 群でそれぞれ 83.9 %及び90.6%で試験期間中に他の緩下剤が併用されていました。本薬 0.2 mg 群における緩下剤の併用あり及びなしの治療期 2 週間における レスポンダー率は 73.8 %及び 72.0 %であり、緩下剤の併用による影響は認められませんでした。また、本薬 0.2 mg 群における緩下剤の併用あり及びなしの有害事象の発現割合は 67.7 %及び 60.0 %であり、緩下剤を併用することによる臨床上の問題は認められませんでした。(審査報告書より)」

【承認状況】
米国において2017年3月に「非がん性慢性疼痛成人患者でのオピオイド誘発性便秘症」を適応症として承認されました。我が国ではがん患者でも非がん患者でも使用できますが、米国では非がん性慢性疼痛のみの適応となっています。

【用法・用量】
通常、成人には 1 回 0.2mgを1日1 回経口投与します。

【食事の影響】
食事の影響はあまり受けないため、本剤は食前・食後に関わらず服用する事ができるとされています。その理由は以下の通りです。
「外国人健康成人対象の試験において、本薬を食後に投与した場合、Cmaxは空腹時投与と比較して約 35 %減少し、tmaxは空腹時投与の0.75 時間から 2.50 時間に延長したことから、食事摂取による吸収の遅延が示唆されましが、AUC0-infについては食事の有無による影響は認められませんでした。
また、日韓共同第 II 相試験及び、国内第 III 相試験では、本薬は食事の摂取の有無に関わらず投与され、有効性及び安全性に特段の問題は認められなかったことから、外国人健康成人対象の試験で観察された食事の摂取による Cmax及び tmax の変化は、臨床上大きな影響は及ぼさないと考えられました。」

【効果発現までの時間】
本剤を服用して最初に自発排便が得られるまでの時間は国内第 III 相試験において、4.67時間(プラセボは26.58時間)でした。ですから、効果発現は比較的早いと考えられます。

【副作用】
OICを有するがん患者さんを対象とした国内臨床試験において、安全性評価対象症例 224 例中、副作用(臨床検査値異常変動を含む)は 67 例(29.9%)に認められました。主なものは、下痢 49例(21.9%)、腹痛 5 例(2.2%)でした。また、OIC を有する非がん性慢性疼痛患者を対象とした国内臨床試験において、安全性評価対象症例 53 例中、副作用(臨床検査値異常変動を含む)は 17 例(32%)に認められました。主なものは、下痢 10 例(19%)、腹痛 3 例(6%)でした。

【オピオイドが効かなくなる可能性について】
「薬剤離脱」について、がん患者対象国内試験では認められず、非がん性慢性疼痛患者対象国内試験で 1 例 薬剤離脱症候群が認められましたが、オピオイド減量によるものと考えられ、本薬との因果関係は否定されました。これらにより、本薬投与によりオピオイド離脱症候群発現やオピオイド鎮痛作用へ影響する可能性は低いと考えられています。ただし、血液脳関門が機能していない患者では、オピオイド離脱症候群やオピオイド鎮痛作用の減弱を起こす可能性は否定できないとのことで、注意喚起されています。
7. 使用上の注意と服薬支援
【薬剤師への注意】
(1)消化管閉塞若しくはその疑いのある患者さん、または消化管閉塞の既往歴を有し再発のおそれの高い患者さんには、消化管穿孔を起こすおそれがあるため、禁忌です。
(2)本剤は,主に肝代謝酵素CYP3A4 で代謝されるため、CYP3A 阻害剤(イトラコナゾール、フルコナゾール等)やCYP3A誘導剤(リファンピシン等)、P-糖蛋白阻害剤(シクロスポリン等)などは併用注意です。
(3)オピオイド離脱症候群を起こすおそれがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行います。
一般的には、投与後数分あるいは数日以内に起こる次の症状の複合的な発現:不安、悪心、嘔吐、筋肉痛、流涙、鼻漏、散瞳、立毛、発汗、下痢、あくび、発熱、不眠
(4)オピオイドの投与を中止する場合は本剤の投与も中止します。

【患者さんへの説明例】
(1)オピオイド誘発性便秘症の治療に用いられるお薬です。
(2)飲み忘れた場合は、気がついたときにすぐに飲んでください。ただし、次に飲む時間が近いときは、1回とばしてください。2回分を一度に飲まないでください。
(3)激しい又は持続する腹痛等が認められた場合にはすぐご連絡ください。
8. 製造販売元など
製造販売元:塩野義製薬株式会社
お問合せ先:塩野義製薬株式会社 医薬情報センター 0120-956-734
※主に添付文書、医薬品インタビューフォーム、審査報告書を参考に作成いたしました。
※薬の使用にあたっては、必ず処方する医師の指示にしたがってください。
(文責 下平秀夫) 2017年6月/2017年8月更新

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