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2017年3月製造販売承認

■インチュニブ錠1mg,3mg
■コムクロシャンプー0.05%
■ナルラピド錠1mg,2mg,4mg
■ナルサス錠2mg,6mg,12mg,24…
■スインプロイク錠0.2mg
■ インチュニブ錠1mg,3mg
1. 承認概要
新有効成分 2017年3月 / 2017年5月 発売
2. 薬効分類名
注意欠陥/多動性障害治療剤(選択的α2Aアドレナリン受容体作動薬)
3. 一般的名称
グアンファシン塩酸塩
4. 適応症
小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)
5. 類薬との比較

6. 特徴
【特徴】
本剤は、小児期の注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の適応を持つ、我が国3番目、非中枢刺劇薬としては2番目、選択的α2Aアドレナリン受容体作動薬としては初の薬剤であり、1日1回服用します。本剤は体重によって開始用量、維持用量、最高用量が細かく設定されており、医師であれば誰でも処方することが可能です。既存薬の2剤と異なり、適応は「小児」に限られています。

【注意欠陥/多動性障害(AD/HD)とは】
AD/HD(Attention—Deficit/Hyperactivity Disorder)は、不注意や多動性、衝動性を特徴とする発達障害で、生活にさまざまな困難をきたします。小児に多く、小児期AD/HD患者数は推定44.3~103.3万人といわれています。通常は成長とともに改善していきますが、大人になっても症状が残ることがあり、50~60人に1人はAD/HDという報告もあります。AD/HDと診断される人は年々増えており、学校等での学習や集団行動が困難になり社会生活への影響を生じます。本人の努力はもちろん、周囲の人の正しい理解とサポートが必要です。

【背景】
AD/HDの治療薬としては従来「中枢神経刺激薬」のコンサータ(メチルフェニデート)のみで、耐性や依存性、乱用等が問題となっています。このため、コンサータは第1種向精神薬に指定されており、また、「コンサータ錠登録医師」に登録されている医師しか処方する事はできず、かつ、薬局も登録制であり、登録医師による処方であることを確認しないと調剤ができません(調剤拒否の正当な理由となります)。
このような中、2009年に非中枢神経刺激薬であるストラテラ(アトモキセチン)が発売になりました。アトモキセチンは中枢神経刺激薬と異なる作用機序をもつため、AD/HDの各症状を改善させる効果の強さはやや劣るものの、耐性や依存性が生じないという特徴をもちますが、効果が現れるまで1~2か月ほど時間がかかるという難点もあります。本剤は、アトモキセチンと同様に非中枢神経刺激薬ですが、効果が1~2週間で現れることもあります。

【承認状況】
2009年9月にAD/HD 治療薬として米国で初めて承認され、2017年1月現在では世界33 ヵ国で小児AD/HD を適応症として承認されています。
グアンファシン塩酸塩を有効成分とする即放性製剤としては、過去に本邦では本態性高血圧症治療薬である「エスタリック®0.5mg」が販売されていましたが、2005年5月に販売が中止されました。

【作用機序】
本剤はストラテラと同じ非中枢神経刺激薬ですが、作用機序が異なります。そのため、既存薬が効かないような患者さんにも本剤の効果が期待できることとなります。
アドレナリンα2A受容体を刺激すると交感神経を抑える(降圧効果)だけでなく、作用機序は明確ではありませんが、中枢神経の後シナプスのアドレナリンα2A受容体を選択的に刺激することで、減弱しているシグナル伝達を増強させ、AD/HDの症状を改善すると考えられています。

【用法・用量】
本剤はもともと降圧剤であったことからもわかるように、血圧低下、脈拍の低下には注意が必要であるため、ゆっくりと増量・減量するように決められています。
通常、体重50kg未満の小児ではグアンファシンとして1日1mg、体重50kg以上の小児ではグアンファシンとして1日2mgより投与を開始し、1週間以上の間隔をあけて1mgずつ、添付文書に従って維持用量まで増量します。有効性が乏しいのに漫然と続ける事は推奨されていませんが、継続が必要だと判断されるケースにおいて18歳以降も本剤の服用を継続する場合には、6歳未満および18歳以上の患者における有効性および安全性が確立していない事に留意してください。

【臨床効果】
小児AD/HD患者(6歳以上18歳未満)を対象に実施したプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験において、有効性の評価尺度であるADHD-RS-IV合計スコアの投与7週後のベースラインからの変化量は、各本剤投与群とプラセボ群との間に統計学的な有意差が認められました。なお、本試験では学校生活での AD/HD 症状に対する有効性も加味して医師による評価が行われましたが、審査報告書では、小児 AD/HD 患者における治療目的は学校等の社会環境での AD/HD 症状の改善であり、今後学校生活での AD/HD 症状に対する有効性評価を実施すべきであり、本剤についても製造販売後調査において引き続き検討する必要があると指摘されています。

【副作用】
承認時における安全性評価対象症例254例中,副作用(臨床検査値異常変動を含む)は190例(74.8%)に認められました。主なものは,傾眠146例(57.5%),血圧低下39例(15.4%),頭痛31例(12.2%)でした。

【相互作用】
本剤は主に肝代謝酵素CYP3A4及びCYP3A5で代謝されます。そのため、CYP3A4/5阻害剤のイトラコナゾール,リトナビル,クラリスロマイシン等の併用により、本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがあります。逆に、CYP3A4/5誘導剤である リファンピシン,カルバマゼピン,フェノバルビタール,フェニトイン等との併用では、本剤の血中濃度が減少し作用が減弱するおそれがあります。また、降圧作用を有する薬剤との併用は、相互に作用を増強し,失神のリスクがあると注意喚起されています。
7. 使用上の注意と服薬支援
【薬剤師への注意】
(1)低血圧、起立性低血圧、徐脈、心血管疾患のある患者又はその既往歴のある患者さんには慎重投与します。
(2)高血圧のある患者又はその既往歴のある患者さんには慎重投与します。
(3)房室ブロック(第二度,第三度)のある患者さんは使用できません(禁忌)。
(4)本剤の投与開始前及び用量変更の1~2週間後には,血圧及び脈拍数を測定します。至適用量の決定後にも4週に1回を目途に血圧及び脈拍数を測定します(重大な副作用として、低血圧(5%以上),徐脈(5%以上))。

【患者さんへの指導例】
(1)小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)に用います。
(2)服用量は最初は少なく、徐々に増やして維持量にします。
(3)血圧が下がったり、脈拍数が減少する場合があります。いつもと違う徐脈、ふらつき、動悸、失神等が見られたらすぐに連絡してください。
(4)本剤は徐放性製剤であるため、割ったり、砕いたりしたりしないでそのままかまずに服用してください。
8. 製造販売元など
製造販売元:塩野義製薬株式会社
     (プロモーション提携:シャイアー・ジャパン株式会社)
お問合せ先:塩野義製薬株式会社 医薬情報センター 0120-956-734 
※主に添付文書、医薬品インタビューフォーム、審査報告書を参考に作成いたしました。
※薬の使用にあたっては、必ず処方する医師の指示にしたがってください。
(文責 下平秀夫) 2017年8月

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