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2016年12月製造販売承認

■リンゼス錠0.25mg
■ リンゼス錠0.25mg
1. 承認概要
新有効成分 2016年12月 / 2017年3月 発売
2. 薬効分類名
グアニル酸シクラーゼC受容体アゴニスト
3. 一般的名称
リナクロチド
4. 適応症
・便秘型過敏性腸症候群
・慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)[2018年8月適応追加]
5. 類薬との比較

6. 特徴
【特徴】
我が国で初めて便秘型過敏性腸症候群(IBS-C)の適応を持った薬剤です。我が国では成人の13~14%が過敏性腸症候群(IBS)、約2.9%が便秘型過敏性腸症候群(IBS-C)であると言われています。2018年8月に、「慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)」の適応が追加されました。

【過敏性腸症候群】
過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:IBS)は、腹痛、腹部不快感と下痢や便秘といった便通異常を主体とした消化器症状が長期間持続したり、悪化と改善を繰り返す疾患です。心理社会的ストレスにより症状悪化がおこりやすく、例えば通勤通学途上や停車ができない高速道路・トンネルなどでの渋滞時、会議などが誘因となりやすいことがあげられています。これは腸管神経の過度の活性化に伴う消化管運動亢進によって生じると考えられています。
「機能性消化管疾患ガイドライン2014」では、IBSの診療基準としてRomeⅢをグレードAで推奨しています。その中で、過去3か月間、月に3回以上「腹痛や胃部不快感」があるとされています。

【RomeⅣ基準】
RomeⅢが発表されてから約10年後の2016年に、RomeⅣ基準が発表されています。RomeⅣ基準の概要は以下の通りです。
 
過去3カ月間、1週間 につき1回以上にわたって腹痛があり、以下の項目 のうち二つ以上に当てはまる場合 
1.排便により改善する。
2.排便頻度が変化に関連する。
3.便の形状が変化に関連する。
症状は少なくとも6ヶ月前から出現していること。

【便秘型の分類】
慢性便秘は原因がはっきりしている(1)器質性便秘、(2)症候性便秘、(3)薬剤性便秘と、原因がはっきりしていない(4)機能性便秘の4つに大別できます。機能性便秘と思われている中で、腹痛・胃部不快感がある方の中にも、IBS-Cが潜んでいる可能性が考えれます。

【承認状況】
成人のIBS-Cと慢性特発性便秘(CIC)の適応症で世界30か国以上で承認されています。

【用法・用量】
通常、成人にはリナクロチドとして0.5 mg を1 日1 回、食前に経口投与します。
なお、症状により0.25 mg に減量します。
⇒食前投与は、治験において食後服用での下痢の副作用が多かったことによります。本剤を食前投与することで、食事による腹部症状の憎悪の不快感を軽減できるかもしれません。

【使用上の留意点】
便秘型過敏性腸症候群治療の基本である食事指導及び生活指導を行った上で、症状の改善が得られない患者に対して、本剤の適用を考慮します。
 
【作用機序】
腸粘膜上皮細胞に発現しているグアニル酸シクラーゼC(GC-C)受容体に局所的に結合し活性化して、細胞内のcGMP濃度を増加することにより、腸管分泌及び腸管輸送機能を促進し、加えて内臓痛覚過敏を改善します。
一方、増加したcGMPが求心性神経の情報伝達を抑制して、大腸痛覚過敏を改善させると考えられています。
本剤は、14個のアミノ酸からなるペプチド化合物で、リナクロチドはほぼ体内に吸収されません。

【臨床効果】
IBS-Cの成人患者を対象として日本で第III相試験のプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験が行われました。主要評価項目である投与12週間における過敏性腸症候群(IBS)症状の全般改善効果のレスポンダー率は本剤投与群で34%、プラセボ投与群で18%(P<0.001)でした。また、残便感の無い自発的な排便(CSBM)のレスポンダー率は本剤群で35%、プラセボ投与群で19%(P<0.001)でした。さらに、腹部膨満感、腹痛・腹部不快感を含む、腹部及び便秘症状をみた副次評価項目においても改善が認められました(29.3% vs 29.3%(P<0.01))。

【副作用】
国内臨床試験で855例中、臨床検査異常値を含む副作用発現率は184例(21.5%)であり、主な副作用は下痢111例(13.0%)でした。
7. 使用上の注意と服薬支援
【薬剤師への注意】
(1)重度の下痢があらわれるおそれがあるので、症状の経過を十分に観察し、本剤を漫然と投与しないよう、定期的に本剤の投与継続の必要性を検討します。
(2)本剤は非常に吸湿性が高いので、粉砕や半錠に割るなどは避けてください。

【患者さんへの説明例】
本剤は非常に湿度に弱い製剤ですので、服用直前に錠剤を取り出してください。
8. 製造販売元など
製造販売元:アステラス製薬株式会社
お問合せ先:アステラス製薬株式会社
       メディカルインフォメーションセンター 0120-189-371
※主に添付文書、医薬品インタビューフォーム、審査報告書を参考に作成いたしました。
※薬の使用にあたっては、必ず処方する医師の指示にしたがってください。
(文責 下平秀夫) 2017年1月/2018年8月更新

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