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2016年9月製造販売承認

■キイトルーダ点滴静注20mg,100mg
■ミケルナ配合点眼液
■ビラノア錠20mg
■デザレックス錠5mg
■ キイトルーダ点滴静注20mg,100mg
1. 承認概要
新有効成分 2016年9月 / 2017年2月 発売
2. 薬効分類名
抗悪性腫瘍剤(ヒト化抗ヒト PD-1 モノクローナル抗体製剤)
3. 一般的名称
ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)
4. 適応症
根治切除不能な悪性黒色腫
PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
5. 類薬との比較

6. 特徴
【特徴】
我が国で3番目の免疫チェックポイント阻害薬であり、また、我が国で2番目の抗PD-1抗体製剤です。2016年9月に「根治切除不能な悪性黒色腫」を適応として承認され、さらに2016年12月に「PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」の適応が承認されました。PD-L1陽性の(適応に合致した)場合にはファーストラインで使用できるので、最初に副作用の強い従来型の抗がん剤を使わなくてもよくなりました。

【背景】
免疫チェックポイント阻害薬は​新しい作用機序をもつ薬剤で、一部患者に対する高い治療効果、多くのがんへの効果の期待、高額な薬価などで注目を集めています。

【我が国で承認されている免疫チェックポイント阻害薬】
現在、我が国で主に開発が進められている免疫チェックポイント阻害薬は、抗CTLA-4抗体、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体の3種類です。このうち、2017年1月時点において我が国で承認されているのは、抗CTLA-4抗体の「ヤーボイ」、抗PD-1抗体の「オプジーボ」と本剤の3薬剤です。

【抗PD-1抗体製剤の承認状況】
PD-1を標的とする治療薬としては、2014年7月にオプジーボが世界に先駆けて我が国において「根治切除不能な悪性黒色腫」の適応で承認されました。その後、2015年12月に非小細胞肺がん、2016年8月に腎細胞がん、同年12月には古典的ホジキンリンパ腫に適応が広がりました。さらに、頭頸部がん(2016年7月申請)と胃がん(同年12月申請)の2適応でも申請中です。高額な薬価で世間の注目を集め先行発売されたオプジーボは、対象患者が増えたことなどにより、2017年2月に薬価が半額になることが決定されています。
一方本剤は、我が国で2番目の抗PD-1抗体製剤です。2016年9月に「根治切除不能な悪性黒色腫」を適応として承認され、その後、同年12月に「PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」の適応が承認されました。さらに、同年12月には古典的ホジキンリンパ腫の適応追加を申請。膀胱がんや乳がん、胃がんなど8つの適応でP3試験が進行中です。胃がんの適応では、厚生労働省の「先駆け審査指定制度」(重篤な疾患に対する革新的な治療薬で、日本で世界に先駆けて申請される新薬を審査期間の短縮などにより優遇する制度)の対象品目に指定されています。

【非小細胞肺がんへの適応の違い】
非小細胞肺がんのファーストラインを対象とした臨床試験では、オプジーボはPD-L1発現率に関わりなく実施し従来の化学療法に対する優越性を示せなかったのに対し、本剤はPD-L1発現率が50%以上の患者で無増悪生存期間を有意に延長しました。この結果から本剤はファーストライン、セカンドラインともに使用が可能となりました。そのかわり、本剤には「PD-L1陽性の」というしばりがつきました。
化学療法歴のない患者については、
・上皮増殖因子受容体(EGFR)遺伝子変異陰性
・未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)融合遺伝子陰性
・腫瘍組織においてPD-L1を発現した腫瘍細胞が占める割合が50%以上の場合に使用できます。

【コンパニオン診断薬】
PD-L1発現を調べるには、がん細胞がどの程度PD-L1分子を発現しているかを検査する診断薬(コンパニオン診断薬)が必要です。この診断薬により、本剤が有効と期待される患者群をあらかじめ選定できたため、診療試験で有意差が出せたともいえます。
本剤についてはPD-L1陽性であることが要件ですので、厚生労働省の「最適使用推進ガイドライン」を踏まえてコンパニオン診断薬「ダコ」でPD-L1陽性を確認した年月日と検査結果を診療報酬に記載する必要があります。

【承認状況】
2016年5月現在、55の国または地域で承認されています。2016年8月時点において、非小細胞肺がん(NSCLC)への適応で48の国または地域で承認されています。

【用法・用量】
<根治切除不能な悪性黒色腫>
通常、成人には、ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)として、1回2mg/kg(体重)を3週間間隔で30分間かけて点滴静注します。
<PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌>
通常、成人には、ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)として、1回200mgを3週間間隔で30分間かけて点滴静注します。

*オプジーボは体重にあわせた投与量を2週間隔で投与しますが、本剤は体重によらず固定量にて3週間隔で用います。

【免疫チェックポイント阻害薬の作用機序】
免疫ブレーキを解除して免疫細胞(活性化T細胞)を活性化し、がん細胞への攻撃力を高める薬剤です。免疫ががん細胞を排除し難い理由として、がん細胞が自分たちを攻撃する免疫反応にブレーキをかけていることが知られており、これは「免疫チェックポイント」と呼ばれています。免疫チェックポイント阻害薬はこのブレーキを解除し、本来持っている免疫反応を活性化する薬剤です。

【本剤の作用機序】
PD-L1はがん細胞表面に発現している分子で、活性化T細胞の免疫チェックポイント分子PD-1に結合し、活性化T細胞に「免疫にブレーキをかける信号」を送り込む役割を果たします。PD-L1が大量に発現しているとがん細胞はどんどん増殖します。
本剤やオプジーボはPD-1に対するヒト化モノクローナル抗体で、活性化T細胞上のPD-1に結合することによって、がん細胞上のPD-L1およびPD-L2 との結合を阻害し、がん細胞による活性化T細胞の抑制(免疫ブレーキ)を解除します。
その結果、抑制されていたT細胞が再度がん抗原を認識した際に再活性化され、がん細胞を排除できるようになります。

【副作用】
国内臨床試験では、副作用が81.0%認められています。主な副作用はそう痒感・斑状丘疹状皮疹(各14.3%)、倦怠感(11.9%)などであり、重大な副作用は間質性肺疾患、大腸炎、重度の下痢、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑、類天疱瘡、神経障害、肝機能障害、肝炎、甲状腺機能障害、下垂体機能障害、1型糖尿病、腎障害、膵炎、筋炎、横紋筋融解症、重症筋無力症、脳炎、髄膜炎、インフュージョンリアクション(Infusion reaction)が報告されています。
また、オプジーボと同様に、厚生労働省から投与時の劇症1型糖尿病の発症に関する注意喚起通知が発出されています。1型糖尿病(0.3%)があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシスに至るおそれがあります。
7. 使用上の注意と服薬支援
【薬剤師への注意】
(1)がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、適切と判断される症例についてのみ投与します。また、治療開始に先立って患者等に十分説明し同意を得てから投与します。(警告)
(2)間質性肺疾患の初期症状の確認、胸部X線検査の実施等、観察を十分に行います。(警告)
(3)インフュージョンリアクション、肝機能障害、ぶどう膜炎の発症等に注意が必要です。
(4)承認された体外診断薬を用います。

【患者さんへの説明例】
(1) 免疫細胞を活性化させる作用により、過度の免疫反応があらわれることがあるので異常を感じたらただちに医師に連絡してください。
(2) 息切れ、呼吸困難、咳などがあらわれた場合には、ただちに医師に連絡してください(間質性肺疾患)。
(3) 口渇・多飲・多尿・体重減少・全身倦怠感などがあらわれた場合には、ただちに医師に連絡してください(劇症1型糖尿病)。
(4) 妊娠する可能性がある女性は、この薬を使用している間および使用終了から一定期間は適切な避妊を行ってください。
(5) 授乳中の人は授乳を中止してください。
8. 製造販売元など
製造販売元:MSD株式会社
販売提携:大鵬薬品工業株式会社
お問合せ先:MSDカスタマーサポートセンター  0120-024-961
※主に添付文書、医薬品インタビューフォーム、審査報告書を参考に作成いたしました。
※薬の使用にあたっては、必ず処方する医師の指示にしたがってください。
(文責 下平秀夫) 2017年1月/2017年5月更新

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