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2016年3月製造販売承認

■プリマキン錠15mg「サノフィ」
■フィコンパ錠2mg,4mg
■タグリッソ錠40mg,80mg
■シクレスト舌下錠5mg,10mg
■ シクレスト舌下錠5mg,10mg
1. 承認概要
新有効成分 2016年3月 / 2016年5月 発売
2. 薬効分類名
抗精神病薬
3. 一般的名称
アセナピンマレイン酸塩舌下錠
4. 適応症
統合失調症
5. 類薬との比較

6. 特徴
【特徴】
本剤は統合失調症治療剤として我が国初の舌下錠(凍結乾燥製剤)です。MARTAに分類され、統合失調症の陽性症状(幻覚・妄想など)と陰性症状(情動の平板化、情動的引きこもりなど)の両方に効果があります。初回投与から維持用量である「1回5mgを1日2回」での治療が可能です。

【承認状況】
海外では、2009年8月に米国において統合失調症及び双極Ⅰ型障害(躁病エピソード又は混合性エピソード)の適応で初めて承認されました。欧州連合では、2010年9月に双極Ⅰ型障害(躁病エピソード)の適応で承認されました。2016年1月現在、世界61ヶ国(統合失調症19ヶ国、双極Ⅰ型障害61ヶ国)で承認されています。

【抗精神病薬の分類】
抗精神病薬は、「定型抗精神病薬」(従来型抗精神病薬)と「非定型抗精神病薬」(新規抗精神病薬)の2つに大別されます。定型タイプは主に脳内のドパミン受容体に作用して陽性症状を改善するのに対し、非定型タイプはドパミン受容体に加え、多様な受容体に作用して陰性症状の改善に効果があるとされています。また、副作用について非定型抗精神病薬は、筋肉のこわばりや遅い動作などの錐体外路症状や、遅発性ジスキネジアが比較的軽減されています。

【ガイドライン】
統合失調症の薬物治療において、国際的な統合失調症の治療ガイドラインではリスペリドン、オランザピン、クエチアピン等の非定型抗精神病薬が第一選択薬に位置づけられています。(審査報告書より)

【非定型抗精神病薬の分類】
非定型抗精神病薬は「SDA」「MARTA」「DPA」などに分けられます。
・「SDA」セロトニン・ドパミン遮断薬にはリスペリドン(リスパダール)、パリペリドン(インヴェガ)、ペロスピロン(ルーラン)、ブロナンセリン(ロナセン)などがあります。
・「MARTA」多元受容体標的化抗精神病薬(Multi-Acting Receptor Target Antipsychotics)は、セロトニンやドパミンだけでなく、さまざまな神経伝達物質の受容体に作用して、過剰な働きを遮断する薬です。SDAと同じように前頭前皮質のドパミン活性を活発にするため、陰性症状にも効果があります。本剤のほか、オランザピン(ジプレキサ)、クエチアピン(セロクエル)、クロザピン(クロザリル)があります。
・「DPA」ドパミン受容体部分作動薬にはアリピプラゾール(エビリファイ)があります。

【用法・用量】
通常、成人にはアセナピンとして1回5mgを1日2回舌下投与から投与を開始します。維持用量は1回5mgを1日2回、最高用量は1回10mgを1日2回までとしますが、年齢、症状に応じ適宜増減します。
(一般に非定型抗精神病薬は、有害事象の軽減のために有効用量まで漸増する必要があります。しかし本剤は、開始用量が推奨用量と同一であり、治療の早期から有効用量の投与が可能となります。)

【相互作用】
本剤は肝薬物代謝酵素CYP1A2の基質です。またCYP2D6を軽度に阻害します。そのため、フルボキサミンなどのCYP1A2を阻害する薬剤との併用で本剤の代謝が阻害される可能性があります。(併用注意)また、パロキセチンはCYP2D6阻害作用を有するため、本剤との併用でパロキセチンのCYP2D6阻害作用が増強される可能性があります。(併用注意)

【臨床試験】
日本人を含むアジア人集団の急性増悪期の統合失調症患者を対象としたプラセボ対照比較試験(国際共同第3相試験)と長期投与試験(国際共同長期継続投与試験、国内長期投与試験)などで、52週間にわたって有効性(陽性症状と陰性症状の改善)、安全性が示されました。

【副作用】
上記試験における安全性評価対象例557例中(日本人患者365例を含む)、副作用が369例(66.2%)に認められました。主な副作用は、傾眠72例(12.9%)、口の感覚鈍麻56例(10.1%)、アカシジア47例(8.4%)、錐体外路障害35例(6.3%)、体重増加35例(6.3%)、浮動性めまい29例(5.2%)です。
7. 使用上の注意と服薬支援
【薬剤師への注意】
(1)重度の肝機能障害(Child-Pugh 分類 C)のある患者には禁忌です。 外国臨床薬理試験において、アセナピン5mg を単回舌下投与した際、Child-Pugh 分類 C では肝機能正常者群に比べてアセナピンのAUCが5.5倍大きかったのですが、軽度もしくは中等度の肝機能障害者群(Child-Pugh 分類A、B)では、肝機能正常者群と同様でした。
(2)アドレナリンを投与中の患者には禁忌です。アドレナリンはアドレナリン作動性α、β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用により、β-受容体の刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強されます。(クエチアピンも同様)
(3) 糖尿病又はその既往歴のある患者には慎重投与です。(オランザピン、クエチアピンは禁忌)
(4)凍結乾燥製剤であり吸湿性を有するので、ブリスター包装のまま保存します。

【患者さんへの説明例】
(1)このお薬は飲み込まず舌の下に置いてください。舌の下から吸収されて効果が出ます。お薬が欠けたり割れたりしている場合は、その分も一緒に服薬してください。
(2)服薬後10分間は、歯みがきやうがい、飲食はしないでください。
(3)お薬を舌の下に入れた時に口の中にしびれ感が現れることがありますが、通常1時間以内になくなります。
(4)水に溶けやすいお薬ですので、使用直前に乾いた手でブリスターシートから取り出し、直ちに舌下に入れてください。
(5)眠気、注意力・集中力・反射運動能力などの低下が起こることがあるので、自動車の運転など危険をともなう機械の操作は避けてください。また、アルコールは薬の作用を強めることがありますので、注意してください。
8. 製造販売元など
製造販売元:Meiji Seikaファルマ株式会社
お問合せ先:Meiji Seikaファルマ株式会社 くすり相談室  0120-293-396
※主に添付文書、医薬品インタビューフォーム、審査報告書を参考に作成いたしました。
※薬の使用にあたっては、必ず処方する医師の指示にしたがってください。
(文責 下平秀夫) 2016年6月

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